マンガで読める『夢酔独言』

マンガで読める『夢酔独言』

勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

2022年7月に描いた絵

 2022年7月に描いた絵です。

 新しいのが、上に来ます。

 

 

 

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 座る小吉(一度目の家出時)。

 特に言うことがない

 

 

 

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    七夕なので、七夕の絵です。短冊に願い事を書く小吉。

    こーゆうのは、当日に間に合うように出さないと…思いつくのが当日だから…。

 

 

 

後生車

    はやおきのマイフェイバリット絵本『童謠妙々車』の口絵に登場するこれ。

 

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    あるいはこれ。


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    柱に穴を開けて菊形の車輪?をはめ込んだ装置。

    『妙々車』の口絵はモチーフが「車」しばりなので、車には違いありません。最初は飾りか何かと思っていましたが、本編にもあったので、何らかの意味があるものだろうと思って調べました。

 

    で、結論から言うと、これは「後生車」というもののようです。マニ車(仏教の装置で、車輪部分に経文や真言が記されており、右回転させると内容を唱えたのと同じ功徳が詰めるという有り難いもの)よろしく、念仏を唱えながら回すと、死者の供養になるものらしいです。読み方は「ごしょぐるま」。

    他にも回し方とか効果は、そこの後生車によって違うみたいです。

 

 『妙々車』では車輪は菊形ですが、実物の写真で菊形のは見られませんでした。当時(江戸時代)のトレンドだったのかも。

 

 

 

    『童謠妙々車』の口絵の紹介記事でチラッと触れましたが、記事を書いてから一年経って名前をすっかり忘れてしまっていたので、どなたか「あの柱に刺さった車輪は何じゃい!?」という方の役に立つかもしれないと思い、記事にまとめました。

 現代実存する後生車のそばには、たいてい使い方とかが解説されているようなので、困ることはないと思いますが…。

 

 

 

 ついでに『童謠妙々車』の口絵もどれも素敵なので、よかったらご覧くださいませ。

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

 

2022年6月に描いた絵

2022年6月に描いた絵です。

 

 

 

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 はやおきは実は短髪の(坊主ではない)ヘヤースタイルが好きで、しかし自意識をこじらせて描くことを自制していたのですが、ついに描いてしまった絵です。

 しかしここでまた自意識をこじらせてしまい、ホントは前髪を垂らしたかったのに垂らせなかったり、口元を描くのが大好きなのに自意識(以下略)手で隠してしまいました。描けよ。

    この絵を描くために、ワリと初めて自分の手をちゃんと見たのですが、指の第一関節と第二関節で、皺の形が全然違うのに気付きました。一緒と思ってたよ。

 そのうち、前髪を垂らして口元を隠さないヴァージョンを描く気がする。

 

 

 

2022年5月に描いた絵

    2022年5月に描いた絵です。

 

 

 

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    『童謠妙々車』より、麻衣さんです。

 日本髪を描きたくなったので…それっぽく描いてあるけども、毛流れはテキトウです。

    櫛を忘れた…。

 

 

 

    それはそーと、久し振りに漫画とゆーかはやおきの活動全般について、やってる意味があるのか気になりだしてすっかり意気消沈しています。いつものことです。

    描くのやめたいけどもやめたくないなぁ。でも、描いたって誰も読まないのは分かってるので辛い。他の誰かが描いてくれたらいいのに。意義の無いことを、一生懸命やり過ぎた。

マンガ『夢酔独言』 十六話「侍の馬乗り」

  勝小吉自伝『夢酔独言』より、小吉14歳、一度目の家出エピソードその5です。

 江戸を出て一人で上方を目指す小吉。伊勢神宮まで行きましたが、府中まで戻ってきました。

 侍の、馬の稽古にでくわした小吉。小吉は武士の子ですが、家出中&襦袢(下着)姿&旅汚れで誰もそうとは思ってくれません。頼み込んで稽古の見学をさせてもらいますが、このあと失礼をはたらき、追い出されてしまいます。その時、小吉がとった行動は…。

 

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2022年3月に描いた絵

 2022年3月に描いた絵です。

 ここしばらく一枚絵を描いていなかったのですが、この度はやおきが労働先をクビになりまして、宣告を受けて一ヶ月くらいは「もう駄目だ!」といつものごとく落ち込んでいましたが、いざ労働期間が終わると自由を謳歌し始め、(比較的)いっぱい絵が描けました。

 それはそうと、来月から別の場所で労働します。気分的には一ヶ月ぐらいブラブラしたかったのですが、インターネットでネガティヴな情報ばっかり摂取して、ビビッて真面目に就職活動してしまいました。

    新しい絵が、上に来ます。

 

 

 

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    マンガ『夢酔独言』主人公の小吉です。

    はやおきは勝小吉が大好きなので、今でも、他のものを描くときより20割増しくらい楽しいです。

 

 

 

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    マンガ『夢酔独言』に登場する学者さん達です(学者の定義が怪しいですが)。

    1枚目から、佐久間象山先生、永井青崖先生、都甲斧太郎先生、勝麟太郎

 

 

 

『小吉の女房2』最終回「麟太郎、妻をめとる」感想&解説

 土曜時代ドラマ『小吉の女房二2』の地上波放送が始まったので、BS放送当時に描いた感想&『夢酔独言』的解説記事を公開し直します。内容はBS放送時のものです。ネタバレがおおいにあるので、ドラマを観た後で読んでくださいね。 第七回「麟太郎、妻をめとる」は、3月12日土曜日18:05~、NHK総合にて放送です! 

 

 

 

 勝海舟の父・小吉の妻のお信を主人公にしたドラマ『小吉の女房2』。この記事では、ドラマの感想と、はやおきの持てる勝小吉および勝海舟絡みの知識をつぎ込んだ解説をいたします。

 ネタバレあり。

 なお、ここに記す内容およびセリフは、はやおきのメモおよび記憶から持ってくるため、うろ覚えです。

 

 

 

 

 

 

・最終回「麟太郎、妻をめとる」あらすじ

 

お民(大西礼芳)が芸者をやめ家業の炭屋の手伝いに。麟太郎(稲葉友)との恋を諦めて嫁に行くと言う。本当は身分違いの恋に悩んだ末の苦渋の決断だったが、麟太郎は、お民の真意を掴みかねて悩んでしまう…。そんな頃、伝馬町の牢が火事になり、弾圧を受け牢に入れられていた蘭学者高野長英山口馬木也)が勝家を訪ねてくる。お信(沢口靖子)と小吉(古田新太)は、自分たちもお咎めを受ける危険を冒して長英をもてなす。

※NHKホームページより引用

 

 

 

・感想

・お民さん(文吉さん)との結婚の道がやたらと遠い

 

・石川太郎左衛門の悪者&報われなさがよい

 

・要所要所でいい感じのことを言う小吉だが、勝家が貧乏だったりするのは、元はと言えば小吉のせいじゃないのか…

 

 

・解説

 

 時は天保十五年(西暦1844)6月。

 お信沢口靖子さん)41歳、小吉古田新太さん)43歳 、麟太郎稲葉友さん)22歳、お順稲垣来泉さん)9歳です。

  

 冒頭、久々登場の小吉の兄嫁・お遊さん(高橋ひとみさん)が、麟太郎に縁談を持って来ます。それに対し、小吉・お信夫婦は「考えたことなかった」と口をそろえます。

 

 実際の小吉と信は、小吉が7歳の時(信は5歳)、家に養子入りして(信の父であり当主だった甚三郎という人がなくなり、勝家にはお婆様と信しかいませんでした)、その流れで夫婦になったようです。お遊さんは、小吉の実兄の兄嫁でした。

 

 帰宅した麟太郎に縁談を持ちかけると、芸者の文吉さん(大西礼芳さん)に恋心を抱いていた麟太郎は、「御番入(ごばんいり…就職)がまだだから」ともっともらしい理由をつけて断ります。「御番入を待ってたらいつまでたっても結婚できない」などと言い返す小吉、生涯御番入出来なかっただけあって、説得力抜群です。

 

 それはさておき最近めっきり文吉さんと会えなくなってしまった麟太郎、「病にでもなったんじゃないか」と発想を飛躍させ、文吉さんが出張していた料理屋の女将に文吉さんについて聞くと、文吉さんはよそへお嫁に行くことが決まったと聞かされます。

 

 家へ帰り、庭先であからさまに落ち込む麟太郎。「文吉さんのこと…?」とお信、何でもお見通しです。

 

 

 

 そんなある夜、伝馬町牢屋敷では、近所で火事が発生し、消火活動のため、囚人たちが一時的に解放されます(3日以内に戻ればセーフなルールだったようです)。

 その中には、蛮社の獄天保十年)で投獄されていた、高野長英がいました。

 麟太郎(後の勝海舟)は『氷川清話』で、

 

 …高野長英『夢物語』を書き、(中略)。その趣意は、今モリソンが我邦へ来るのを打ち払って(1840年モリソン号事件を指す)国家のためにならぬ、ことに国も貧弱で準備もないところで戦争をなすってもとても勝算はないということを上書でなく『夢物語』に書いて、これを同志に示した。(中略)幕府においてもそういうことを書いては人心を動揺するにより、彼らを捕えた。

※はやおきによる現代仮名遣いで引用

 

と言っています。

 

 都甲斧太郎先生(風間杜夫さん)曰く、「オランダ語にかけては右に出るものがいない」蘭学者高野長英さんですが、勝家を訪ねて来ます。

 ドラマでは和やかに都甲先生お手製の蕎麦ビール高野長英さん著『救荒二物考』を参考に作ったのだとか)を飲んだりしていましたが、高野長英さんが麟太郎を訪ねたエピソードは、『氷川清話』勝海舟が語っています。

 

高野長英さんについては、こちらのページに詳しく書いています↓

musuidokugen.hatenablog.com

 

 勝海舟曰く高野長英さん死の一ヶ月前、嘉永三年(西暦1850)10月のことで、麟太郎は当時28歳、夢酔(小吉)の死後一ヶ月が経っていました。

 

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 夢酔(小吉)、死んでる。

 

 

 さて、半脱獄囚(三日以内に戻ればセーフ)の高野長英さんを「みんなが寝てる間に出て行けばギリギリOKじゃねーの?(意訳)と小吉が送り出してから数日後…。

 

 お信が久しぶりに本所へ行くと、文吉さんことおさんが実家の薪炭で働いていました。お信が話を聞くと、「お客さんに身の丈に合わないと言われ、目が醒めました」とお民さん。そのお客とは小吉の因縁の相手(子供の頃木刀でボコボコにして泣かせた)石川太郎左衛門高橋和也さん)だったのです。

「勝は貧乏とはいえご直参(旗本・御家人のこと)…それよりわしの世話になれ」とキモ…支離滅裂なことを言う石川太郎左衛門。オメーも直参じゃねーのかよ。

 

 帰宅し、一部始終を小吉に話すお信。何でもお見通しのお信と違い、小吉は麟太郎の恋心について、今聞いて知ったっぽいリアクションです。

 裏で石川太郎左衛門が関わっていると勘づく小吉、身分違いは書類上釣り合ってればOKと、お民さんを、入江町でお世話になっていた地主の岡野家の養女にすることを提案します。これは、実際そうしたようです。

 

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 夢酔(小吉)、生きてる。

 

 

 

  身分の違いもサクッと解決(見込み)したところで、本所のおさんの実家へ押しかける麟太郎。「妻に迎えたい」と言う麟太郎に、「もっとふさわしい人が…」「年上だし…芸者だし…」とこの期におよんで渋るお民さん。麟太郎も一人称を「私」から「俺」にチェンジし、「親子そろって無役だし、蘭学もするけどどうなるかわからない」と、ネガティブキャンペーンで迎え撃ちます。「親子そろって無役」は、言葉にするとかなりキツイものがありましたが、ようやくお民さんも折れて、「一年待てたら結婚してやるよ」的な返事をくれます。

 

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漫画では、この辺は麟太郎が言っています。

 

 

 

  同天保十五年9月この解説では今までいっさい触れられなかった町奉行鳥居耀蔵さんが失脚。鳥居さんを出世のアテにしていた石川太郎左衛門はガッカリします。

  『小吉の女房』では、一貫してちっちゃい悪だくみをしてはすぐ破綻する石川太郎左衛門でしたが、善人ばかりの登場人物の中で異彩を放っていて、個人的には、だんだんと出番が楽しみになっていたキャラクターでした。

 『夢酔独言』では序盤に小吉に泣かされてから二度と登場しませんでしたが、夢酔(小吉)は彼についてこうまとめています。

 

今は石川太郎左衛門とて御徒頭を勤めているが、古狸にて、今に何にもならぬ、女を見たような馬鹿野郎だ。

 

 ひどい言われようです。

 

 

 

 さて、西暦1845年12月、元号天保から弘化へ変わり、翌年9月、麟太郎とお民さんは夫婦になりました。

 お民さんの養父となった岡野孫一郎さんも、久々の登場です。天保三年に家督を継いだ時14歳(『夢酔独言』によると)ですから、弘化二年現在27歳、実はお民さんとは2歳しか離れていないのです。若い。

 麟太郎の祝言には、巾着切りの銀次を始め品用師の斎藤監物、道具屋の長兵衛さんに茶屋のおさんまで、『小吉の女房』出演の皆さんが勢ぞろいしました。

 「勝家も何とかなりそうだな」と、いい感じだけどテキトーなセリフを吐く小吉。小吉がもっと頑張ってたら、勝家も貧乏じゃなかったし親子そろって無役じゃなかったんだんだけども…。

 

 

 

 麟太郎夫婦は、翌年春、虎の門の小吉・お信夫婦の元を離れ、赤坂へ移住します。兄との別れを惜しむ妹のお順でしたが、実際は麟太郎夫婦と赤坂で同居していたようです。

 赤坂には麟太郎の蘭学の師匠・永井青崖先生が居たんですが、ドラマではいっさい触れられませんでした。都甲先生の存在がかすむものね。

 あと、麟太郎にはもう一人妹がいました。はなといって、麟太郎とは5歳ほど年が離れていました。こちらは小吉夫婦と同居していたらしく、『夢酔独言』で「娘が家内中の世話をしてくれて、何もおれ夫婦が少しも苦労のないようにするから、今は誠の楽隠居となった」と書いています。

 

 それから、麟太郎と夫婦となったおさんですが、麟太郎にむちゃくちゃ浮気されまくって、「夫と同じ墓には入りたくない」とまで言い残しましたが、それはまた別のお話。

 

 

 

 毎回ヒーヒー言いながら書いた『小吉の女房』シリーズの記事も、これでおしまいです。次回は『夢酔独言』もしくは小吉を主人公にした作品解説で再会したいものです。

 アディオス(スペイン語)!