マンガで読める『夢酔独言』

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勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

『夢酔独言』 五十五話 本におれの息子か?

『夢酔独言』    五十五話    本におれの息子か?

 

 3歳になる息子に家督を譲ろうとして、怒られてやめた小吉。就職活動に励む毎日ですが、うまくいかず。そんなある日、小吉は、隣接する兄の家に住んでいるという息子が本当にそこに居るのか、確かめに行きます。そう、小吉は檻に入っていたため、自分の息子に会ったことがなかった!

 麟太郎(後の勝海舟)と、勝小吉の初対面です。

 

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 このお話の流れはフィクションです。小吉がこの時点で息子に初めて会ったかどうかは、原作に明記されていません。檻を出た時点で、いっしょに暮らし始めたのかもしれません。もしかしたら、檻越しに会っていたかもしれない…その可能性は、とても低いですが。だって教育に悪いから。

 4歳で初めて会った父親を、麟太郎はどう思っていたのか…。私は意外とすんなり受け入れていたのでは、と思っています。親子ですし。

 当時は子供の教育は基本母親がするもので、父親は、たまに威厳を発揮していればよかったのです。

 養子制度で親が代わることもしばしば。小吉も妾の子供ですが、養母のことを「本当のお袋」と言っています(心情的にではなくて、立場上)。甥の新太郎も、小吉のいとこの妾の子供で、途中で小吉のお兄ちゃんの養子になっています。

 

 原作では、息子・麟太郎が登場するのは、麟太郎が9歳の時一度だけです。それ以外は、ちらっと説明の隙間にごく数回、出てくるだけです。

 

 このお話では、小吉が、息子の気配がしないので見に行く、という流れになっています。描いた当時は「優秀な息子だから静かだったんだろう」などと思っていたんですが、後々調べるにつれ、全然そんなことはなかったようだ、となるのでした。

 

 

 (一話目にも出ましたが)このお話から出てくる穴の開いた四角は、息子・麟太郎のモノローグです。

 

人となりは大まかで、ものごとにこだわらず、一旦承諾したことは必ず実行する性質であった。容貌魁偉で…

 

 この文章は、PHP研究所刊 勝部真長編訳 『夢酔独言 現代語訳「勝小吉自伝」』の最後の方に出てくる、勝海舟が両親の墓碑文として書いたものです。

 私は途中まで、同編者の原文版しか持っていなかったのですが、正確には解読できてないだろうということで、現代語訳版も仕入れました。

 碑文を読む時、「今まで描いてきた勝小吉像と違ってたらどうしよう?」と思ったのを覚えていますが、今まで思い描いていたイメージと何にも変わらないので、ほっと安心しました。

 

 最後の「己は文字が大嫌いだ」は、実際の海舟のセリフです。

 

五十六話に続きます。

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

 

 

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