『夢酔独言』 五十一話 婿を捜せ
夏の暑い盛り、家出した小吉は遠州掛川で居候を続けます。一方、江戸では小吉の女房・信が倒れます。
ある時、江戸から掛川に客人が来ると聞いて、座敷の掃除をする小吉。そこへ、小吉の甥、男谷新太郎が現れます。
この物語は原作者=小吉視点なので、当然それ以外のくだりはフィクションです。
忠次郎が博奕に興じるくだりは、当時旗本の間で博奕がとても流行っていて、息子・麟太郎(海舟)の親戚にも博奕のうまい人がいた、という話からきています。忠次郎は中村帯刀との内通訳にもなってもらいました。このお話の最後、新太郎が小吉を迎えに行くためには、小吉が中村家に居ると判っていなければ、いけませんから。
五十二話に続きます。