『夢酔独言』 八十六話 二番目の兄
小吉34歳。小吉の2番目の兄・三郎右衛門が登場です。
10年ほど前、小吉と金の貸し借りでもめて、絶縁状態だった三郎右衛門さん。突然お金を2分(小吉が貸した8両の16分の一)を手紙とともに送って、小吉に「会いたい」と言ってきます。
長兄・彦四郎さんの妻・お遊さんに相談したうえ、三郎右衛門さんと仲直りする小吉。
その年の暮れ、三郎右衛門さん宅に狼藉者が侵入し…。
ここで、小吉一家についておさらいです。
・勝小吉・・・『夢酔独言』の作者兼主人公。父・男谷平蔵55歳(うろ覚えです)の時、妾の子として生まれるが、すぐに男谷家に引き取られる。
・男谷彦四郎・・・小吉のお兄ちゃん。小吉より25歳年上。常識人。登場するたび小吉に困らされている。
・松坂三郎右衛門・・・小吉の二番目のお兄ちゃん。生没年不詳。
・遊・・・1番目のお兄ちゃんの妻。お兄ちゃんとはいとこ同士。
・勝信・・・小吉の妻。小吉の2歳年下。小吉は勝家の婿養子。
で、今まで影も形もなかった三郎右衛門さんですが、急に登場して、小吉に復縁を迫ります。
そこで小吉は兄(彦四郎さんの)嫁のお遊さんに相談するのですが、小吉はこのお遊さんを、母親のように思っていたようです。
というのも、小吉は勝家に養子へ行って(7歳の時)からずっとお姑さんと仲が悪く、14歳の時とうとう家出しますが、その前の年お遊さんに、姑さんとのことで知恵を借りているのです。
この後もしばらく、お遊さんは小吉のプライベートな出来事にで関わってきます。
そして35歳の春(旧暦一月)、三郎右衛門さんの息子が何者かによって殺されます。
八十七話「悪知恵」に続きます。