『夢酔独言』 八十話 岡野家の世話
小吉30歳頃のこと。引っ越し先の道楽者の地主さんから、後継ぎの孫一郎さんの御番入とお嫁さんの世話を頼まれました。ところが、悪名高い岡野家に、誰もお嫁に来てくれません。
前回に引き続き、ひたすら地主さんちの世話です。9ページ目にちらっと出てくる若者が、岡野家の後継ぎ・孫一郎さんです。
10ページ目だけ、今年夏ごろに描いたページです。亡くなっていたと思い込んでいた人物が生きていたので、つじつま合わせのためにお話の順番を入れ替えました。この頃は、とにかく速く描こうという自分内企画中だったので、やや線がラフですね。10ページ目は未来の場面で(小吉の髪型が今と違ってます)、『夢酔独言』全体でのクライマックスシーンです。
とくに恩人でもなければ親戚でもない地主さんの世話をこれでもかとする小吉ですが、『夢酔独言』の執筆後に、その甲斐があらわれます。小吉から息子・麟太郎への贈り物です。
八十一話「麟太郎と博奕と飢饉」に続きます。勝海舟の、幼い頃のエピソードです。