マンガ『夢酔独言』の二十六~四十六話が、ここから読めます。
小吉16~21歳までのエピソードです。初めての吉原、甥の男谷新太郎(後の男谷精一郎信友)とのケンカに道場破り、平山行蔵先生との交流、兄・彦四郎のお供で信州へ行って仕事を手伝ったり、江戸へ帰って風邪を引いたり命を狙われたり、無駄遣いのし過ぎで無一文になったりと、まさに小吉の青春が詰まった章となっています。
各話あらすじ付き。
・二十六話 自分の名前が書けない
16歳になり、家出の疲れからようやく回復した小吉は、就職活動を始める。ところが受付で自分の名前が書けず、他の人に書いてもらう。
・二十七話 吉原デビュー
知り合いの男にだまされて、吉原に行った小吉。「面白いから」毎日通ったが、当然すぐに資金が底をつく。そんな折、兄が勤めている役所に、年貢の金が送られてきた。これは、盗むしかないぜ!
・二十八話 祭りは喧嘩をしに行くところ
秋の八幡様のお祭りに、従弟の子の新太郎・忠次郎兄弟と出掛けることになった小吉。町人数名にケンカをふっかけたところ、武器と仲間をひっさげて仕返しにやって来ます。
・二十九話 喧嘩には刀も使うよ
長鉤(ながかぎ)を持った50人ばかりの町人相手に、小吉たち4人は刀を抜いて応戦する。死人こそ出ないものの、後に「あんなひどいことはなかった」という騒ぎに。
・三十話 喧嘩の稽古
男谷家の用人・源兵衛を師匠にしてケンカの稽古に励む小吉。その年の暮れ、ケンカで男谷兄弟の弟・忠次郎が着物を切られ、兄の新太郎と、小吉もいっしょに反省文を書くはめに。
・三十一話 四谷伊賀町の武辺者
年が明けて、小吉は17歳になった。
甥の新太郎から四谷に住んでいるという武人・平山行蔵の話を聞き、会いに行く。
勝小吉のもうひとつの著作『平子龍先生遺事』からのエピソード。
・三十二話 これだけは聞けない
憧れの武人・平山行蔵先生を前に緊張する小吉だが、先生に気に入られ、玄米をご馳走になったり、朝から晩まで武者話を聞いたりする。
ある時、平山先生から学問を勧められた小吉の返事は…。
・三十三話 他流試合はいかが
弟子入りしている剣術道場で腕を上げ、伝授を二つもらった小吉。現状に飽き足らず、当時まだマイナーだった「他流試合」をしようと思い付く。
・三十四話 道場破り
小吉18歳、同門の剣術仲間と、道場破りの日々。
持ち前の面倒見の良さで、他流派の門人まで「配下同然(小吉談)」に。
・三十五話 湯屋の株
相変わらず無職の小吉だが、40両が懐に入ってくる。その訳は…。
・三十六話 居候・引っ越し・詰めきり
ある時、小吉は行き場のない武士を家に泊めてやる。相変わらず姑である婆殿と檻が悪く、引っ越しを決意する。
その年、小吉は兄・彦四郎のお供で信州へ行くが、彦四郎の体調が悪く、検見(けみ)の代打を頼まれる。
・三十七話 信濃での大捕り物
兄が代官を務めている村にて、年貢の税率を決める検見をする小吉。融通をしてやり、百姓に喜ばれる。
同じ月、郡代百姓の屋敷で狼藉者が刀を抜き、大騒ぎに。兄に「言って押さえろ」と命じられた小吉、現場へ駆けつける。
・三十八 道中は賊ばかり
信州から江戸へ帰る小吉の道中には、牢抜けしたばくち打ちに、無礼な家老、酒乱の剣術遣いと、危ないやつらばかりが現れる。
・三十九話 小男大男
剣術仲間から、小林隼太という暴れ者がいるという話を聞く小吉。他流試合ついでにちらりと姿を見ると、大男だ。
・四十話 刀の長さ比べ
小林隼太にけしかけられて、小野兼吉という剣術遣いが、小吉の家に試合を申し込みに来る。長刀自慢をする兼吉に、小吉は平山行蔵先生からもらった刀を見せびらかす。
・四十一話 言い分はござりませぬがお命頂戴
男谷道場へ替え流して相弟子を馬鹿にしているという小林隼太の話を聞き、風邪をおして試合をし、勝利する小吉。しかし恨みを買ってしまい、命を狙われる。
・四十二話 闇討ちより暮れの取り立てが怖い
小吉を闇討ちにしようとつけ狙う小林隼太。暮れに小吉が往来を歩いていると、いきなり小林隼太が現れ、刀を抜いて突きつける。
・四十三話 私の新刊をあげる
吉原通いをする小吉は、ある時、他の客に絡まれていた小説家・柳亭種彦と知り合い、家に遊びに行く。
・四十四話 田舎者
19歳になった小吉は、夏、遠州掛川から江戸の剣術遣いを訪ねて来た中村帯刀という若者の世話をする。
・四十五話 無一文だから吉原へ行こう
近所のごろつき相手に毎日ケンカをしては、借金をして、無一文になる小吉。
どうにもならないので、「気休めに吉原へ行った(原作ママ)」。
・四十六話 夫婦喧嘩
借金は合っても仕事がない小吉に、妻・信の堪忍袋の緒が切れる。
- ・二十六話 自分の名前が書けない
- ・二十七話 吉原デビュー
- ・二十八話 祭りは喧嘩をしに行くところ
- ・二十九話 喧嘩には刀も使うよ
- ・三十話 喧嘩の稽古
- ・三十一話 四谷伊賀町の武辺者
- ・三十二話 これだけは聞けない
- ・三十三話 他流試合はいかが
- ・三十四話 道場破り
- ・三十五話 湯屋の株
- ・三十六話 居候・引っ越し・詰めきり
- ・三十七話 信濃での大捕り物
- ・三十八 道中は賊ばかり
- ・三十九話 小男大男
- ・四十話 刀の長さ比べ
- ・四十一話 言い分はござりませぬがお命頂戴
- ・四十二話 闇討ちより暮れの取り立てが怖い
- ・四十三話 私の新刊をあげる
- ・四十四話 田舎者
- ・四十五話 無一文だから吉原へ行こう
- ・四十六話 夫婦喧嘩
四十七話から、マンガ『夢酔独言』「家出編2」が始まります。21歳の小吉が、文字通り二度目の家出をします(ちなみに武士の無断外泊はご法度)。
14歳の時の家出はアクシデントに次ぐアクシデントで常に困っていた小吉でしたが、今回は知恵を使って、悠々快適な旅を計画します。
四十七話「 七年ぶりの箱根」は、こちらから。