『夢酔独言』 七十四話 息子の命はおれが受け合う
息子は今晩にも持たないかもしれない。小吉はその晩から金毘羅様へ祈り、自ら麟太郎を看病します。…その方法とは?
…其晩から水をあびて、金毘羅へ毎晩はだか参りをして、祈つた。
始終おれがだゐて寝て、外(ほか)の者には手を付させぬ。
お医者さんには、見せたほうがいいとは思いますが…。そもそも、病犬(狂犬病にかかった犬)に噛まれて、助かるものなんでしょうか?
ともかく、麟太郎の場合、失血がひどくて危なかったみたいです。
効果はあるんだか逆効果なんだかわかりませんが、麟太郎を温めて看病する小吉。
今までどこか自分の子供という認識が薄かった小吉ですが、麟太郎を自分の息子と自覚するエピソードです。
七十五話「看病」に続きます。