『夢酔独言』 七十話 地主ともめてお引っ越し
ところで小吉は家作(借家)暮らしですが、地主さんが「代官になりたい」と言い出します。「代官はお前様には無理だ」と懇切丁寧に意見を言う小吉、当然地主さんと揉めます。
前半は原作通りです。「代官になりたい」と言う地主さんに、「あなたには才覚がないから無理だ」と言う小吉。もっと他の言いようはなかったのか…。
…決して働きのなゐ者が勤める役ではなゐ」といつたら内中が発て(怒って)、「地面を返してくれろ」といゝおるから、地面中へ触れて、不足の地代宿代を不レ残(のこらず)集めて、おれが懐へ入ていて、のき場所を見付るに、…
当然のように地主一家を怒らせ、追い出されます。ここの世界では、土地のことは「地面」と言い表します。
あと、いつの間にか娘が生まれてますね。
勝小吉の娘=勝海舟の妹といえば、佐久間象山の妻にもなった順(じゅん)が知られていますが、彼女には「はな」という姉がいて、今回登場するのははなの方です。
一方お城にては、麟太郎がお役目を解かれます。
この理由についてはよくわからないんですが、どういうわけか私が「初之丞様が亡くなったからお役御免になった」と思い込んでいて、マンガ完結にあたって資料を見直していて、「初之丞様死んでない!」と判り、急きょ描き直したのでした。
なので、10ページ目だけ、描いたのは最近です。麟太郎の顔が漫画チックになってます。
七十一話「帰って来た息子(仮)」に続きます。