『夢酔独言』 二十九話 喧嘩には刀も使うよ
親戚の新太郎・忠次郎兄弟に、男谷家の用人・源兵衛といっしょに八幡のお祭りへケンカに出掛けた小吉。始め数人の男にケンカを売ったつもりが、加勢が来て、4人対50人です。
ところで、小吉たちが喧嘩中に蕎麦屋を背にして叩き合うくだりがあるんですが、その蕎麦屋は、かの有名な砂場そばのお店だったそうです。
自身番にいた人のコメントです。
「八幡で大喧嘩があつて、小揚のものをぶつたがはじまりで、小あげの者が二、三十人、蔵前の仕事師が三十人ばかりで、相手をとらへんとしてさわいだが、とふゝゝ壱人もおさへずにがした。その上にこちらは十八人ばかり手負(ておい)が出来た。今外科がきづを縫っている」
すでにこの時代に「外科」という言葉があったのが驚き。
三十話に続きます。