『夢酔独言』 二十二話 小吉、漁師になる
崖から落ちた小吉でしたが、箱根から小田原まで戻ってきました。小田原でスカウトされ、なぜか漁師生活を送ることに。そして「うちの子供になれ」と言われる小吉。どうなる『夢酔独言』!
府中の馬場で出会った侍につづき、「ウチの子になれ」と言ってくる人2人目です。14歳の男子ともなれば、もうそろそろ大人ですが、お姑さんがもらったお菓子をくれない、と不満を言っていただけに、小吉はお菓子が好きだったようです。
漁師一家の小吉の人物評があります。
内の娘は三十斗り(ばかり)だが、いゝやつで、ときゞゝすゐくわん(スイカ)なぞ買つてくれた。女房はやかましくつて、よくこきつかつた。
喜平は人足故、内へは夜ばかりゐたが、是はやさしいおやじで、時々くわし(菓子)なんぞ持つて来て呉た。
大黒柱である喜平は、漁師と人足の兼業だったようです。
小吉はこの家に、2週間ほど居ました。
二十三話に続きます。