『夢酔独言』 六十三話 麟太郎のお庭拝見
文政十二年(西暦1829)、勝小吉28歳、息子・麟太郎7歳。
江戸城にての、お庭拝見に参加する麟太郎。そこでの言動がもとで、麟太郎は江戸城に呼び出されることに…!
今回のくだりは、『夢酔独言』には描かれていません。参考資料は、筑摩書房 松浦玲著『勝海舟』です。小吉の人生をなるべく余すことなく盛り込みたいので、挟みました。
2ページ目で麟太郎たちが散策しているのは、江戸城二の丸庭園です。情報元は失念しましたが、あそこのお庭のようすは、城の偉い人から見えていたみたいです。江戸城の絵がヘタなのは地元じゃないからとでも思って、大目に見てください。
麟太郎が木に登って城に上がりたいとか言ったくだりはフィクションですが、お庭拝見での振る舞いが偉い人の目にとまって、麟太郎は7歳にしてお城勤めをすることになりました。すっごいですね。
あと、家で麟太郎が描いた絵が出てきますが、勝海舟は後年、書画を量産していたというエピソードにちなみます。
勝海舟が描いた機関車の絵があるんですが、画面の奥から手前に走って来る構図で、なかなか迫力があって、技巧的に巧いわけでないんですが、筆に全然迷いがなくて、いい絵です。…少なくとも、ジョン万次郎の絵よりは上手い。
六十四話に続きます。