『夢酔独言』 三十四話 道場破り
小吉の発案で、男谷兄弟や近所の剣術道場の弟子たちが、他流試合を始めます。他流試合とは、流派の違う剣術遣いが試合をすること。
やるのは小吉とその仲間たちなので、他流派の師匠に体当たりしたり、試合を断わられて暖簾を切ったり表札を持ち帰ったりと、やりたい放題です。
※剣道の試合っぽい描写は、全部適当です。多少おかしくても気にしないでください。
ということで、小吉は他流試合を始めました。当時の剣術事情は、マンガの通りです。いきなり押しかけてきた訳のわからん若者に付き合って試合をしてあげて、ボロ負けしたうえに名札を持って行かれた生江先生、かわいそう。
…忠次に政左衛門が体当たりをされて、後(うしろ)の戸へつき当られて、雨戸がはづれて、あおのけに倒れたが、起る(おきる)処をつゞけて腹を打たれた。其日はそれぎりで仕末つたが、始に師匠が高慢をぬかしたがにくいから、帰りにはおれが玄関の名前の札を打抜にして持て帰つた。
試合を断られて、その家の暖簾を刀で切ったうえに奥に放りこんで帰った、というのも原作通りです。ガラ悪過ぎ。
後半の、怒涛の自慢に次ぐ自慢は、小吉本人の感想です。すべての人に当てはまるわけではありません。
三十五話に続きます。