「雨竜(あまりょう)」とは、龍の一種ですが、一般的にイメージするような、角や鱗がある龍ではありません。また、着物の模様として、基本デフォルメされた状態で描かれます。
雨竜は、鬣(たてがみ)があって体は長く、基本的には龍らしい姿をしています。しかし角と鱗が無く、口も省略されて、チョウチョの口ように表現されています。体は波のようにうねったり、渦巻いたりしています。目も省略されて、点々で表現されます。
龍と同じく中国由来のモチーフですが、その穏やかな姿は、日本の他のモチーフとよく調和しています。
・江戸縮緬、絣に雨竜丸
丸くなっているタイプの雨竜。一番大きなものには、手が生えています。
・型染木綿、流水に車輪と雨竜
団子みたいに丸まっているので分かりにくいですが、画面内に雨竜が3匹います。
・型染木綿、鱗に雨竜
三角を並べた鱗(うろこ)文と、雨竜の組み合わせ。
・型染木綿、雨竜七宝
円を交差させてつなげた模様、「七宝(しっぽう)」のように雨竜を並べています。雨竜模様には珍しく、ヒゲ付き。オレンジ色の部分は、花にも見えるし、松葉にも見えます。
・型染木綿、斜め輪つなぎと雨竜
ちょっといかついですが、唐草模様みたいになっている部分が雨竜です。
・蒔絵菓子入れ、雨竜
丸い蓋付きの器に、雨竜が描かれています。おそらく江戸時代の品ですが、どこか桃山時代的な、エキゾチックな雰囲気があります。
・消しゴムはんこ、雨竜
まっすぐ伸びた雨竜と、丸になった雨竜の組み合わせ。古典作品の再現です。