和柄コレクション 春の野草
春の和柄といえば、桜や藤、牡丹がメジャーですが、タンポポやスミレなど、野草類の和柄もあります。図案化された模様として使われたり、春の風景として、蝶と組み合わされたりもします。この記事では、浮世絵の中の着物に使われた古典柄から、はやおきオリジナルの模様まで、春の野草の和柄を紹介します。
・芹(浮世絵より)
春の七草のひとつ、芹(せり)。夏ごろ、白く繊細な花を咲かせます。浮世絵で着物の模様になってました。芹は根っこも食べられるので、このように根と葉が強調された柄になっています。
・蓮華(古典友禅より)
田植え前のシーズン、田んぼにピンクの花が咲くレンゲ。友禅模様では、色ではなく、花と葉の形が強調されます。
・桜草(浮世絵より)
これは浄瑠璃の富本流の紋からアレンジしました。富本流の師匠の着物に付いています。本来は、5つの花から構成されています。
実際の植物としてのサクラソウは、一つの茎から枝が分かれて、いくつも花がまとまって咲きます。この模様は、サクラソウ全体でなく、花が咲いている部分にフォーカスして描いた模様なのです。
・スミレ
はやおきオリジナルの模様ですが、花の描き方は古典模様と同じです。葉っぱのハート形を強調して。
・ツクシ
これもオリジナルですが、探せば古典にもありそうです。
ちなみに布地の柄は、着物に仕立てることを前提にしているので、どちら向きにしても使えるように、柄の上下がないようになっています。
・五葉若葉(古伊万里絵付けより)
五葉若葉(ごようわかば)は、5枚葉が付いた小さなモチーフがひと単位で、並べたり、重ねたりして使われます。
主に古伊万里の模様として使われます。
・蕨(浮世絵より)
浮世絵の、着物の模様に使われていました。
茶色をベースにすると、すごく縄文時代風味です。
・ハルジオン
オリジナル模様。茶色の細い花にベージュの蝶でシックに。
・タンポポ
1枚目は古典柄、後ははやおきオリジナルです。
タンポポは現代モチーフのイメージですが、着物の模様に使われたり、家紋にもなっています。
二ホンタンポポとセイヨウタンポポの見分け方は、花の付けねのガク。外にくるんとはねているのがセイヨウタンポポ、はねていないのが二ホンタンポポです。