和柄コレクション 人の模様
数は少ないですが、人をモチーフにした和柄があります。誰かの顔というよりは、田植えをしたり、花見をしたり、あるいは仕事をする人の様子にフォーカスしたりと、季節や文化をあらわしたものが多いです。
・型紙摺印判変形皿 船頭
これ、約300年前に作られた江戸時代の物なんです。船頭さんがデフォルメ&記号化されていておしゃれ。船頭さんは水に濡れるため、蓆(むしろ)を巻いていました。ぐるぐる巻きで、下の方がギザギザなのは蓆をあらわしています。平面になっているのが、消しゴムはんこで再現した模様です。
・シャボン玉売り
浮世絵にたまに描かれている、シャボン玉屋さん。影絵にして、シャボン玉と組み合わせたらお洒落になりました。
・夫婦ならべ
後ろから見た、男女の模様です。たしか、浮世絵から取ったはず。
・おじぎ小紋
おじぎしている人をならべた模様。女の人バージョンがあってもいい。
・田植え
田植えも、記号化すればこんな感じに。
・人力車
人力車。これも、浮世絵か、器の模様で見た図案です。
・おまけ:手足小紋
人の手形・足形の模様です。赤なのでちょっと強烈。
・オマケ2:歯
もうほとんど人じゃないですが…。
・オマケ3:大名行列のカップ
地元のお土産屋さんで買ったんですが、「NIKKO」と書いてある。アクセントに犬が混じってたりするのがかわいい。
・番外編:狐拳
狐拳とは、じゃんけんの一種で、
・キツネは庄屋さん(もしくはお婆さん)を化かす→庄屋(お婆さん)に勝つ
・猟師はキツネを捕まえる→狐に勝つ
・庄屋さんは猟師からキツネを買うもしくはお婆さんは漁師の母親→猟師に勝つ
というもの。
基本座って両手を使って遊びます。
・キツネ・・・両手を丸めて「うらめしや」のポーズ(キツネの耳をあらわしているとか)
・猟師・・・銃を構えるポーズ
・庄屋両手を膝に当てて威厳のあるポーズ
…なのですが、この絵には片手だけの形も描かれています。
資料は江戸時代の絵草紙の表紙です。表紙買いしてしまいました。
この絵、めちゃくちゃ奇妙なんです。
狐拳のポーズをとった人形と、人の手。コップから狐拳の手の形だけが、ニュッと出ている。湯呑とか茶碗じゃなくて、足付きの杯なのも、すごく奇妙。
杯を「はい」と読んで、狐拳をするときの掛け声をあらわしてるのかなあ…とムリヤリ解釈しています。