マンガで読める『夢酔独言』

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勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

和柄コレクション 柴束模様

 柴束とは、火を焚くために燃料として使われていた、柴(そのへんの雑木)の枝を束ねたものです。「おじいさんは山へ柴刈りに…」の柴です。

  燃料ですから、冬の模様になります。雪や、春を匂わせる梅の花と組み合わせられます。江戸時代中期の着物や柿右衛門の器、型紙摺印判の皿に見られる模様です。明治以降はほとんど見られません。主な燃料が変わってしまったためです。諸行無常…。

 

 以下、実際リアルタイムで使われていた柴束模様と、私が消しゴムはんこで刷った柴束模様です。

 

 

 

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江戸中期型紙摺印判皿 変形皿

このタイプは、結び文型と呼ばれます。めちゃめちゃデフォルメされていますが、結び文の形をしています。使いにくそう、収納しづらそうでおなじみ。

 
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柴束びっしり。模様部分を切り抜いた型紙を上からかぶせて、絵付けします。


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同じく江戸中期型紙摺印判長皿

柴束に梅散らし。
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点々が梅の花です。かわいい。

 

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江戸中期型紙摺印判変形豆皿。豆皿によくある形。

シンプルイズベスト。かっこいい。先っぽが反っているから、稲束かもしれない。

 

 


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柴束重ね小紋


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江戸時代の着物より。柴束に雪。


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江戸時代の着物より。柴束に雪かぶせ。配色も忠実に再現してます。


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雪柴束に梅散らし。


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柴束に雪。

 

  柴束模様は、枝を紐や縄で縛っただけの模様なので、非常にシンプルなんですが、私は和柄の中で一番好きです 。

 

 

 

 私は昔から和柄が大好きで、さりとて気に入る模様はたいがい明治時代には廃れたものばかりなので、一時期(10年くらい前)消しゴムはんこで自分で模様を作っていました。

 いくら刷っても使い道がないのでそのうちやめてしまいましたが、ふと思い立って見返してみると、わりといいものも混じっているので、ぼちぼち公開していきます。

 

 

 

柿右衛門・・・古伊万里の中でも、模様が精緻で高級なもの、程度の知識しかありませんが、とにかく古伊万里の上等なやつです。青一色の染付と、色絵があります。

※型紙摺印判・・・古伊万里のうち、江戸中期にのみ作られた、型紙を使って絵付けされたもの。安価で偽物もほぼ無いので、超おすすめ。

※筆者は模様の知識は多少ありますが、模様で系統や時代を判断するため、古美術の知識はあまり期待できません。専門家の方か、グーグル先生に聞きましょう。