和柄コレクション 水仙
水仙(すいせん)は、冬に可憐な花を咲かせる植物。名前の由来は、「水にある仙人を水仙」という中国の古典から取ったと言われています。原産国はスペイン、ポルトガルなどの地中海。中国を経て日本にやって来ました。
和柄ではあまり無いイメージですが、家紋になっていたり、江戸中期の藍九谷様式と呼ばれる古伊万里によく見られます。私はこの藍九谷のデフォルメされた水仙が好きなので、この記事では、藍九谷の水仙を中心にご紹介します。
・藍九谷様式中皿 花唐草に水仙
藍九谷様式の絵付けの特徴として、中心に植木や花を描くというのがあります。そのモチーフは、大抵が上下がはっきりしているもの(この写真なら、水仙が生えている方が下になります)。器のデザインとしては、360度どの角度から見ても鑑賞できるのが優秀ですが、器の中に、ぽんと草花を摘んで置いたようなデザインが素敵なのです。
また、藍九谷様式は江戸中期特有のものなのですが、周りの花唐草も、洗練されていない、抽象と写実が混じったような、独特なテイストとなっています。
・藍九谷様式 水仙
これは、何かの図録で見たものです。デフォルメされた模様が多い中、比較的リアルな水仙。
・消しゴムはんこ 水仙
デフォルメはしていますが、植物としての水仙です。
・藍九谷様式 水仙ラインダンス
藍九谷様式の皿の中心に見られるもの。これが描かれているだけで、器の値段が上がるので手が出ません。皿にはひとつだけですが、何個も並べてもかわいい。