『夢酔独言』 四十四話 田舎者
小吉、19歳夏の出来事です。
遠州掛川から、江戸の石川瀬兵衛次という剣術遣いを追って来たという神社の息子・中村帯刀が小吉の家に居候することに。しかし、小吉の家には客人をもてなす余裕はありません。
冒頭のエピソードは割愛してしまいましたが、画にすると映えたと思います。これから『夢酔独言』をマンガに描くという方はぜひ。
十九の年、正月稽古始に男谷の稽古で、東間陣助と平川左金吾と大喧嘩をして、互ひに刀を持てけいこ場へ出てさはいだが、其時もおれが引分てよふゝゝ和睦させた。
メインの、中村帯刀とのエピソードは、中身はほとんどフィクションです。でも、無職のくせに同じような居候を家に置いていたのは本当で、妻の信は苦労したことと思います。
この中村帯刀、また後に登場します。お楽しみに。
四十五話に続きます。