マンガで読める『夢酔独言』

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勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

『夢酔独言』 四十二話 闇討ちより暮れの取り立てが怖い

『夢酔独言』 四十二話 闇討ちより暮れの取り立てが怖い

 

  男谷道場に新しく弟子入りした小林隼太を、試合で負かした小吉。その結果、小林隼太から命を狙われるようになりました。

 暮のこと、親類へ金を借りに行く小吉の眼前に、小林がいきなり刀を突きつけます。

 

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 夫(それ)から、おれをやみ打にするとて付おつたが、時々油断を見ては夜道にてすつぱ抜をしてきりおつたが、時々羽織なぞ少しづゝ切つたが、きづはつけられたことはなかつた。夫(それ)からいろゝゝしおつたが、おれも気を付ていた故に、或時、暮に親類へ金をかりにいつた時に、道の横丁より小林が酒をくらつた勢ひで、おれが通るといきなりはなの先へ刀を抜てつき出(だし)た。

 昼だから往来の人も見ている故、其時おれがわざと懐手をしていて、「白昼になまくらを抜てどふする」といつたら、小林が、「此の刀を買いましたが、切(きれ)るか切れぬか見て呉ろ」といふから能(よく)みて、「骨位はきれるだろふ」といつたら鞘へ納めて別れた。人が大勢立留(とまっ)て見ていた。古今のめつぽうけい者だ。

 どういう世界観だ…物騒過ぎる…。

 とはいえ、個人的にはこのくだりは、『夢酔独言』の中で好きなエピソード十本の指に入ります。だって、カッコイイもの。どこまでホントかわからんですが。

 息子の海舟も、命を狙ってくる相手(どういう世界観だ…)には「堂々と余裕かまし戦法」で対処したって言ってますし、あの時代は、人を殺せる道具を携帯する人は、人を殺さない精神も携帯してたってことでしょう。現代の通り魔とか、無差別攻撃する戦闘機には通用しません。

 

 小吉は暮れに親戚にお金を借りに行ったとありますが、年末になると、借金取りが溜まった借金を取り立てに来るという、落語によく出てくるイベント対策だったと推測できます。

 

 小吉はお兄ちゃんの家の庭に、新居を建てました。すっげえ広いんですね、お兄ちゃんち。そのうえ借金まで清算してもらって、なんやかんやあって、また借金が出来ました。どういう世界観だ…。

 

四十三話に続きます。

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

 

 

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