「宝尽くし(たからづくし)」とは、宝物など、めでたいモチーフを集めた和柄です。
この記事では、宝尽くしの定番のモチーフサンプルをいっぱい紹介します。どこかで宝尽くしを見かけたときに、何のモチーフか判断できる助けになれば幸いです。
こちらの小紋に描かれている宝物をメインに紹介します。
①隠れ笠(かくれがさ)、②隠れ蓑(かくれみの)、③巻物(まきもの)、④七宝(しっぽう)、⑤宝珠(ほうじゅ)、⑥丁子(ちょうじ)、⑦分銅(ふんどう)、⑧小槌(こづち)です。
- ①隠れ蓑(かくれがさ)
- ②隠れ蓑(かくれみの)
- ③巻物(まきもの)
- ④七宝(しっぽう)
- ⑤宝珠(ほうじゅ)
- ⑥丁子(ちょうじ)
- ⑦分銅(ふんどう)
- ⑧小槌(こづち)
- ⑨鍵(かぎ)
- ⑩宝袋(たからぶくろ)
- ⑪熨斗(のし)
①隠れ蓑(かくれがさ)
災いから身を隠す、頭にかぶる笠です。
てっぺんが突き出た市女笠タイプの方が本式で、三角のすげ笠タイプに省略したものもあります。
UFОみたいに笠の下に〇が付いてたりしますが、くるくる巻いた掛け紐です。
②隠れ蓑(かくれみの)
隠れ笠と同じく、身を隠す蓑です。
掛け紐部分がデフォルメされており、触覚のようにくるりとカールしています。
他の宝物を蓑の中に抱き込んで、宝尽くしのメインになっている場合もあります。
鳳凰の翼や尾羽、足がついているものも。
③巻物(まきもの)
お経などが書かれた巻き物。
十字に交差させて、※のように〇を配置したものを、特に筒守り(つつまもり)といい、巻物を入れる容器を指すようですが、ここではまとめて巻物とします。
④七宝(しっぽう)
円を互い違いに交差させた模様です。宝尽くしでは単体でもちいられる場合もありますが、和柄としては、地模様として使われます。
四隅に〇が付いているタイプや、中心に花菱が入っているタイプもあります。
⑤宝珠(ほうじゅ)
タマネギ型の宝の玉。上の方から火焔(かえん)が出ている「火焔宝珠」もあります。
⑥丁子(ちょうじ)
香辛料のクローブです。
宝尽くしつながりか、先端を正面から見ると七宝になっています。七宝の四隅に○が付いていて、横から見ると、○が三つ付いているように見えます。
交差しているタイプもあります。
⑦分銅(ふんどう)
重さを量る分銅。
いわゆる分銅型がポピュラーですが、両端が花びらのように波打っていたり、帯を巻いているものもあります。
へこんだ側の両端に、○が付いているものもあります。
⑧小槌(こづち)
いわゆる打ち出の小づち。
ずんぐりむっくりで柄は小さく、紐が付いていたりします。
その他の宝物
⑨鍵(かぎ)
宝物をしまう蔵の鍵。宝鑰(ほうやく)とも。
木の柄に、金属の鍵が付いています。鍵の先端は、カクカクした渦巻きになっています。
⑩宝袋(たからぶくろ)
宝物を入れる袋。金嚢(きんのう)とも。
たいがい、中身がいっぱい入っています。
⑪熨斗(のし)
いわゆるのし袋ののし。
ひも状の物が束ねて描かれます。