マンガで読める『夢酔独言』

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勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

『小吉の女房2』 第三回「お信と白鬚様の庭」感想&『夢酔独言』的解説

 

勝海舟の父・小吉お信を主人公にしたドラマ『小吉の女房2』。この記事では、『小吉の女房2』の感想と、ドラマの『夢酔独言』および勝小吉、あるは勝海舟に関わる部分の解説をお送りします。

 なお、ドラマ終了後すぐさま記事を作成しているので、劇中のセリフ等はおおむねうろ覚えです。

ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

・第三回「お信と白鬚様の庭」あらすじ

 

 

お信(沢口靖子)と小吉(古田新太)を影ながら見守ってきた幕府の実力者・中野碩翁(里見浩太朗)だったが、政争の果てに旗色が悪くなっていた。そんな頃、勝家では小吉が珍しく体調を壊し、お信は心を痛めていた。碩翁は町中でお信とばったり出会い、小吉の平癒祈願のお参りや、自宅の豪奢な庭の見物にお信を連れ回す。碩翁のことを「植木屋のご隠居」と思い込んでいる無邪気なお信の姿に、碩翁は心癒やされていく。

※NHKホームページより引用

 

 

 

・感想

 

・お信、発想がファンシー過ぎる

 

・石川太郎左衛門さんが意外とかわいかった

 

・ 虎の門への引っ越しのくだりは、思い出名場面集の効果もあってかしんみりしちゃう

 

 

 

・『夢酔独言』的解説

 

 天保十二年(西暦1841)本所お信沢口靖子さん)38歳小吉古田新太さん)40歳麟太郎鈴木福さん)17歳お順4歳です。

 

 冒頭、唐辛子売りから一味だか七味を買うお順。この唐辛子売り、大きな唐辛子のハリボテを持っていますが、これは当時実際にあったスタイルのようです。

 この唐辛子売り、三大「自分が時代劇を作る時ついつい出したくなる行商人」のひとつだったりします(あとの二つは、シャボン玉売りと冷や水売りです)。※はやおき調べ

 

  小吉は脚気(かっけ、江戸わずらいとも。脱穀した白米を主食とする江戸特有の病であったため)で、ほぼ寝たきり生活。ビタミンB1不足で起こる脚気には蕎麦がいいと、さっきお順が買って来た唐辛子をかけて蕎麦をいただきます。

 実際の小吉も早くから脚気をわずらっていて、症状が良くなったり悪化したりだったようですが、『夢酔独言』では、今の入江町に引っ越す前、29歳の時点で、脚気にて久しくわずらいていた故、あるくことができぬ」と書いています。また、ひどい時には、「身体がむくみて寝返りもできぬようになった」とあります。

 

 一方、島田虎之助さんの道場では、島田さんと麟太郎が剣術の稽古。稽古終了後、身体を拭くついでにアヘン戦争天保十一年、西暦1840~。清朝のアヘン禁輸措置からイギリスと清国との間に起こった戦争)などの時勢話をします。

 そんな国際情勢に、「私のなすべきことは何なのか…」と思い悩む青年・麟太郎。まるで将来外交を手掛けるかのような発言だ…!

 

  一方、落首(らくしゅ。風刺は批判の意をこめた戯歌)で「本荘の石は墓所でむだになり」とうたわれた中野碩翁里見浩太朗さん)さん。(その間に政治情勢の難しい話をしてたけどもそれは置いといて)散策に出掛けます。

 出掛けた先の三囲稲荷(みめくりいなり)の植木市で牡丹の鉢植えを吟味していたお信と出会い、牡丹をめちゃくちゃ値切って買ってから、二人でしばし「ぶらり本所の旅」を楽しみます。

 「牛の御前(うしのごぜん)」という、自分の体の不調部分を撫でるとご利益がある系の牛像をお参りするお信。小吉の脚気が治るようにと、膝を撫でます。めちゃくちゃ健気

 牛像を撫でると「モォ~」と声が。

 「鳴きましたね!」と目を輝かせるお信ですが、陰からいたずら小僧が登場し、走り去ります。「今の子は牛の御前様の使い…」とお信。解釈がファンシーかよ。ちなみにお信、今一緒に歩いている中野碩翁さんのことも、白鬚神社の精だと思っています

 

 それからお茶屋さんで桜餅を注文しますが…

お信「旦那様に持って帰ります」

碩翁「私は甘いものは苦手で…」

 何しに来たんだ。お信はめちゃくちゃ健気

 

 そこへ追っ手家来がやって来て、幕府の偉い人だとバレそうになる碩翁さん、その場を立ち去ります。

 

 そんでもって自宅の庭園を案内、麝香ナデシコカーネーション)を紹介します。お信、碩翁さんを白鬚神社の精から、植木屋のご隠居ジョブチェンジさせます。

 

 

 

 今回二人が巡った名所は、はやおきは徳島県民だもんで初耳だったのですが、調べると手元の江戸切絵図に名前が載っていました。

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 左手にあるのが三囲稲荷、右手にあるのが牛の御前です。中野碩翁さんゆかりの白鬚神社もありますね。

 

 

 

  お信が家で牡丹に水をあげていると、麟太郎が帰宅。先ほどの散策の一部始終を、麟太郎へ楽しげに語ります。

 それを聞いていた麟太郎、「世の中は大きく変わろうとしている。私は何をすればよいのかとかんがえていましたが…母上が笑って暮らせるかどうかを物差しにしようと思います」と言います。麟太郎、めちゃくちゃいい子。そして楽しげにしているだけで麟太郎に今後の物差しを決めさせちゃうお信がすごいぜ。

 

 

 

 ところが、そう和やかな日々は続きません。石川太郎左衛門高橋和也さん)が、小吉が無断で摂津まで行った件を蒸し返して、虎の門押し込め(屏居させて出入りを禁ずる刑罰)となってしまいます。『夢酔独言』では、小吉の身から出た錆みたいに書かれているので何とも思いませんでした(ドラマでは省かれていましたが、この頃の小吉はかなり本所で幅を利かせていて、何もしなくても盆暮五節句にあっちこっちから上納金みたいなのが懐に入る状態だったのです。そりゃ取り締まられるわ…)が、『小吉の女房2』では、石川太郎左衛門のたくらみのせいで長年慣れ親しんだ本所から離れるというのを、シーズン1からの振り返り名場面集とともに見せられたので、しんみりしてしまいました。

 

 

 

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    漫画だとこのへんです。

 

 

 

 虎の門へ押し込めの話は、『氷川清話』勝海舟が語っています。

 かつて親父が、水野(忠邦の天保の改革)のために罰せられて、同役の者へ御預けになった時には、おれの家をわずか四両二分(約40万円)に売り払ったよ。それでも道具屋は、殿様だからこれだけに買うのだなどと、恩がましく言ったが、ずいぶんひどいではないか。その同役の家というのは、たった二間だったが、その狭いところで同居したこともあったよ。

※『氷川清話』より、はやおきによる現代仮名遣いで引用

 

 

 

 第四回「麟太郎、ナポレオンと出会う」は、4月23日(金)20:00~、BSプレミアムにて放送です!

 

あらすじはこちら↓ 

www.nhk.jp

 

 

 

 麟太郎の蘭学の師匠の一人、都甲斧太郎先生が登場します。

 都甲先生の登場するお話はこちら↓

 

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 …永井青崖先生もついでに登場しないかな…。

 麟太郎の未来の妻・さんも登場するみたいですが、どんな流れで麟太郎と仲を深めるのか?

 そして、小吉の出番もちょっとはあるのか!?

 お楽しみに! 

 

 

 

『小吉の女房2』 第二回「小吉、腹を切る?」 感想&『夢酔独言』的解説

 

 勝海舟の父・小吉お信が主人公のドラマ『小吉の女房2』

 この記事では、ドラマの感想と、勝小吉自伝『夢酔独言』の内容と照らし合わせた解説をしていきます。ネタバレあり。なお、劇中セリフはおおむねうろ覚えです。

 あと、第一回ではすっかり失念していた、メインキャストの皆さんの名前も入れました。

 

 

 

 

 

 

・第二回「小吉、腹を切る?」あらすじ

 

勝小吉と女房のお信は、大身旗本・岡野孫一郎と祖母の多賀を助けるために、騒動に巻き込まれる。悪党の用人・丈助に謀られ大金が必要になり、小吉は岡野家の知行所である摂津の農村まで出向いて、金を作ろうと算段するが、したたかな百姓たちを相手に大苦戦。一方、江戸で留守を守るお信と麟太郎は、岡野家を襲うならず者たちと対決することに…。そして奔放な小吉を見守ってきた兄・彦四郎には死期が迫っていた。

※NHKホームページより引用

 

 

 

・感想

 

 ・小吉メイン回。お信はすりこぎ棒を持って戦う

 

・斎藤監物さんが再登場

 

・お多賀さんが茶道具ずっと持ってるけど最終的にどうするんだろ…

 

 

 

・『夢酔独言』的解説

 

  舞台は前回の続き、天保十年(西暦1839)、江戸・本所お信沢口靖子さん)36歳、小吉古田新太さん)38歳、麟太郎鈴木福さん・後の勝海舟)17歳、麟太郎の妹・お順4歳です。ちなみに実際には順の上に長女・はながいるのですが、ドラマでは省略されています。

 

 第二話は、岡野家(地主さんで、小吉一家は岡野家の敷地内に住んでいます)から始まります。

  控えの帳面を渡せ(by小吉)渡さない(by大川丈助)で問答する二人。

 

※前回までのあらすじ…

 地主・岡野家のまかない用人(武家の庶務・会計係)として雇われた大川丈助(マキタスポーツさん)。岡野家のために立て替えた金が339両あると言って、返金を要求してきた。しかし岡野家にはそんな大金を用意する余裕はない。339両とか言ってるけどつけかけ(水増し計算)じゃないの~?と周囲は疑うが、証拠の帳面を丈助は渡さない(岡野家のぶんの帳面もあったけどどっか行った)。まごまごしているうちに、丈助がご老中に直訴したりして大事に…

 

  岡野家当主の孫一郎中村靖日さん)は、「一文もやらずに片付けたい」と言いますが、小吉は「物騒な手段になる」と返します。

 『夢酔独言』では、多分このあたり。

 

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 セリフはほぼ原作通りです。『夢酔独言』では、小吉が岡野の親戚の皆さんとのやりとりで、「金をやらぬようにする(方)法は、今皆様へお話し申すと、すぐに目でもお回しなさるから言いませぬ(原作よりはやおきによる現代仮名遣いで引用)と答えています。

 

 何やかんやで小吉に一件を任せることになった岡野家。「いったん任されたからには口出し無用」と(何か質問しようとしたけど、さっそく口出し無用を適応されて答えてもらえない孫一郎さん)、小吉、解決に向けて動き出します。

  この口出し無用は、『夢酔独言』ではもっと堅固なあつかいになっていて、その証文や書付を孫一郎さんに書かせていました。また、小吉の息子の勝海舟も、問題を請け負う際は、「一切を任せて口出ししない」のを条件としていました。

 

 舎弟の巾着切りの銀次に、桶屋古着屋からいろいろと調達させる小吉。岡野家の知行所(幕府から割り与えられた領地的な土地)という、摂津兵庫県)の御願塚(ごがんづか)村へ向かいます。※武士の無断外泊は禁じられています。

  摂津行きのメンバーは、小吉銀次、それから品用師(詐欺師。『小吉の女房』第五回登場)の斎藤監物さんです。ならず者しかいねえ…。

 『夢酔独言』では、一応武士の皆さんで行きます。

 

 出発の場になぜかジャストタイミングで現れ、「一緒に行きます!」と元気よく申し出る島田虎之助さん(麟太郎の剣術の師匠。第一回で小吉にムリヤリ吉原へ連れて行かれた)。そこは小吉、「麟太郎をよろしく頼む」と言って、3人で旅立ちます。まあ、許可取ってないと行っちゃダメですし…。

 

 

 

 数日後、岡野家できらず飯(米におからを混ぜたもの)を炊くお信(なぜ岡野家に居るかは気にしない)。確か『小吉の女房』シーズン1でも登場しましたが、きらず飯は『夢酔独言』にもでてくる節約メニューです(米一升におから2,3升の配合だったそうです)。

 

 そこへ絵に描いたようなガラの悪い3人組が登場。ガラ悪く借金の取り立てをしてきます。おからを擂っていたすりこぎ棒で応戦するお信…しかし多勢に無勢、岡野家のご隠居お多賀さん松原智恵子さん)は大川丈助の押し込め(出入り禁止の刑)部屋の見張り番をしていた2人に助けを求めますが、「見張りが仕事なんで…」と役に立ちません2人のうちどっちかが行ったらいいじゃん

 そこへジャストタイミングで麟太郎島田さんが登場。3人組をシメます『夢酔独言』でも「息子が柔術の相弟子に島田虎之助」と紹介されている島田さん、柔術もデキる人なのです!退散する3人組、お信がすりこぎ棒を持って戦おうとしたことについて、皆でひとしきりホンワカします。

 

 

 

 一方、摂津御願塚村。小吉一行は、代官陣屋(だいかんじんや。代官の居る所)に泊まることになります。

 この時、小吉は改名の届け出が受理されて「夢酔(むすい)」となっており、表向きは「岡野の家来・左衛門太郎」として摂津へ行きましたが、皆「夢酔様」と呼んでいます。ともあれややこしいので、ドラマでは「小吉」で統一されています。

 

 村の代官山田新右衛門さんに、400両ほど要求する小吉。ちなみに『夢酔独言』換算では、1両は訳96000円、×400=3840万円もの大金です。

 「不作続きで生活が苦しくて…」と訴える名主の皆さん(宇市さんと源右衛門さんという役名でしたが、『夢酔独言』にも、実際この2人が登場します)。

 しかし村を見てみると、子供が農作業を手伝うことなく昼間から遊んでいたり、名主たちは俳諧を楽しんでいたりと、暮らしぶりは楽そうです。楽だからって、3800万円も出したくないですけども。

 ここの場面で子供たちが遊んでいるのは「ことろことろ」で、鬼ごっこの変形ヴァージョンのようなものです。

 

 

 

 一方江戸では、お信男谷家(小吉の実家)に呼び出され、「武士が無届けでどっか行っちゃダメ!勝家ばかりか男谷家も偉い人からにらまれるじゃん(意訳)!麟太郎が小吉みたいになったら困る!」と彦四郎さん(升毅さん・小吉の兄)やお遊さん(高橋ひとみさん・兄嫁)から叱られます。「私は麟太郎には旦那様(小吉)のように人を助ける男になってもらいたいと思います」と言い返すお信。まるでそうなることを知っているかのようだ…。

 

 片や忘れられがちだけど一応毎回登場している石川太郎左衛門さん(高橋和也さん・小吉の子供時代の剣術道場の先輩。小吉をからかってたら木刀でボコボコに殴られた)。小吉が無断で摂津に行くことを上司にチクり、「小吉のやつ、岡野家ともども地獄行きだ」とデカめのひとり言をつぶやきます。

 

 

 

 摂津の村では、小吉が村の子供たちに剣術の稽古をつけます。しかし、一向に400両が出てくる気配はなく…。

 小吉は世話になってるお礼とかで、村人一同を集めた宴会を催します。「いよいよあきらめたか」と喜ぶ代官たちでしたが…。

 ここで、サブタイトルの「小吉、腹を切る?」の意味が分かるわけですが(中略)、結果400両は手に入り、小吉は江戸へ帰りました。小吉、生きてます。 

 

 この間約1ヶ月。具体的には、11月9日江戸を立ち、12月9日に帰りました。小吉と大川丈助との話し合いで、12月19日には339両返す約束になっていたので、けっこうギリギリの日程でした。

 『夢酔独言』では、金を出すことを拒む百姓が竹槍を持って押しかけたり、小吉が見ず知らずの大坂の奉行の知り合いのフリをして贈り物を自作自演したり、温泉入りに行ったり、たまに大坂へ行って遊んだり、雨乞いしたりしましたが、それらのエピソードは漫画でお楽しみください。

 

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  無事に大川丈助へ339両返し、もろもろの借金を返した(ガラの悪い3人組の件も解決したようです)あとに残った50両を勝家にお礼としてくれるというお多賀さん。しかし「知行所の村が岡野様のためといってくれた金だから」と受け取らない小吉。

 受け取る受け取らないの問答をした末、「麟太郎の着物に」と木綿一反を提案するお信。その反物代はどこから出るんだとも思いますが、現金がダメなら物でお礼をもらおうという発想が、お信もしっかりしています。 

 

 『夢酔独言』では、江戸に帰った翌日お婆様が亡くなったとあります。

 

 それで万事解決…というわけにもいかず、小吉は無断で摂津へ行った罰で他行留め(たぎょうどめ…外出禁止)の罰を受けます。

 

 それから石川太郎左衛門さんがまたよからぬ企みをしかけますが置いといて、翌天保十一年(西暦1840)夏、小吉の他行留めが解かれますが、間もなく彦四郎さんが倒れ、亡くなります。

 ドラマでは兄の死に際を看取ることができた小吉ですが、実際は2月から9月まで他行留めは続いており、彦四郎さんが亡くなったのは6月でした。

 

 

 

 第三回「お信と白髭様の庭」は、4月16日(金)20:00~BSプレミアムにて放送です!

 

あらすじはこちら↓

www.nhk.jp

 

  『夢酔独言』で小吉が活躍するくだりはだいたい終わってしまったので、来週から解説することがなくなりそうですが…そのぶん、お信のかわいさを堪能できそうですね!

 お楽しみに!

 

 

 

2021年4月に描いた絵

    2021年4月に描いた絵です。

 

 

 

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 鴨居(戸の上のとこ)に手をかける小吉。

 このポーズが好きで、漫画でもたまに描いてるのですが、実際は背が高くないと、こんな感じにはならないと思います。

 

 

 

『小吉の女房2』 第一回「勝家、地主から追い立てをくらう」感想&『夢酔独言』的解説

 勝海舟の父・小吉の妻のお信が主人公のドラマ『小吉の女房』。その続編『小吉の女房2』が、2021年4月2日から、BSプレミアムにて全7回で放送開始となりました。

 この記事では、『小吉の女房2』の紹介と感想、エピソードに登場する『夢酔独言』要素について解説します。前シーズンでは解説の勢い余ってだいぶネタバラシをしてしまった気がするので、今回はつつましく解説したいと思います(ネタバレあり)。なお、劇中の皆さんのセリフは、おおむねうろ覚えなのでご了承ください。

 

 

 

 

 

 

・第一回「勝家、地主から追い立てをくらう」あらすじ

 

 

勝家の女房・お信(沢口靖子)は、お金の苦労をしながらも、無邪気で笑顔を絶やさない。夫の小吉(古田新太)は、生来の無鉄砲者。両親を見守るのが、やがて「勝海舟」として江戸の人々を救うことになる息子の麟太郎(鈴木福)。お信と小吉は、地主・岡野家のトラブルに巻き込まれる。悪党・丈助(マキタスポーツ)に騙され当主(中村靖日)と祖母(松原智恵子)は窮地に立たされる。小吉が丈助と対決するが一筋縄では行かず…。

NHKホームページより引用

 

 

 

・感想

 

・お信がかわいい(毎回言ってる)

 

・お順(麟太郎の妹)がやたらめったら冴えてる

 

・島田虎之助さんが出てくる。お婆様も回想で出てくる

 

・ナメクジ(『小吉の女房』のマスコット軟体生物)も出てくる

 

・小吉は終始縁側で寝っ転がって鼻毛抜いてるだけ

 

 

 

・『夢酔独言』的解説

 

 第一話の舞台は、天保十年(1839年)の江戸・本所

 小吉は38歳、37歳で隠居して1年が経ちました。お信35歳麟太郎(後の勝海舟)は17歳、麟太郎の妹・は麟太郎より13歳年下ですから、4歳ぐらいです。

 恒例のお信「家内安全、無病息災」とお祈りし、小吉麟太郎ラジオ体操をする(この時代にラジオは無い)シーンから始まります。長女のは仏壇に手を合わせ…その様子を見て、小吉はお婆様(前年亡くなっている)を思い出してギクッとします。

 相変わらずの貧乏所帯の勝家、朝食に使う味噌がありません。

 「あれ、ない」とつぶやくお信、無くなる前に買っとけと思いますが、かわいいから許す。

 一家揃っての朝食のくだりで、麟太郎の剣術の師匠・島田虎之助さんの話題が出ます。小吉が麟太郎について「剣の腕はからっきし」とか言っていたので、麟太郎は剣道は弱い設定なんですかね?確かに、実際の麟太郎が剣術を始めたのは小吉が隠居してからで(ドラマ内時間で1年前)、それも小吉が島田さんに頼んでのことでした。

 ひとしきり島田虎之助さんについて説明する麟太郎(男谷道場に弟子入りして1年で免許皆伝で、浅草新堀に道場を開いた)、「強そうな名前ねぇ」と合いの手を入れるお信(かわいい)

 島田さんに会いに行きたいと言う小吉、一方お信は、地主の岡野様を訪ねろと言います。

 地主の岡野様と言えば、マンガ『夢酔独言』ではおなじみ、本所入江町で小吉が地面を借りている家です。

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 地図に名前もあるよ

 

お信・小吉・麟太郎三つ巴の「行く・行かない」問答の末、ダチョウ俱楽部方式でお信が岡野家へ行くことになります。

 

 一方小吉は、舎弟の巾着切りの銀次と歩きながら、岡野家について解説します。すると、横文字が書かれた本を熱心に読んでいるメガネの人とぶつかります。彼は花井虎一といって、林町に住んでいて、何やら蘭語オランダ語を勉強しているようです。「何だあの横文字は…」といぶかる銀次に、「あれは蘭書だ」とひとしきり解説する小吉。意外と博識です。

 この花井って人が、後に麟太郎と絡んでくるのかな…?

 

 一方お信は、勝家にて岡野家のご隠居・お多賀さんとおしゃべり。このお多賀さんもかわいいです。この人が先代の孫一郎さんの妻だとすると、『夢酔独言』では、小吉に「孫一郎を隠居させてくれ」と頼んだお前様と同一人物のようです。

 ドラマでここに至るまでの間に、『夢酔独言』では引っ越したての小吉が先代の孫一郎さんの悪評を知らないまま金の工面をしたり、そのせいで勝家が貧乏になったり「大迷惑をした」by小吉)、お前様に頼まれて孫一郎さんを隠居させたり、後継ぎの孫一郎さんの家督相続の時には江戸城まで付き添ってあげたり、(新)孫一郎さんのお嫁の世話をしてやったり(これはドラマで言っていました)、その他何やらかんやらしてあげています。

 

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 先代の孫一郎に似て、現当主の(新)孫一郎も酒乱でぐうたらしていて困ると語るお多賀さん。「親の悪い手本を見て子はまっすぐ育つというけれど…」小吉が『夢酔独言』を書く伏線かな?

 

 ここでお多賀さんとお信による「小普請金(こぶしんきん)」の解説があります。はやおきは『夢酔独言』に書いてないもんで、「小普請金」のことは分からないのですが…。

 小普請金は、小普請組に所属する非役の旗本および御家人が、100石につき2両納めなければいけない金で、1500石の岡野家は30両、41俵の勝家は2分(30両の60分の1)ということでした。岡野家大変…!

 

 

  

 一方その頃、小吉は先ほど行った道具市であつらえた着物を着て、浅草新堀の島田道場を訪ねます。ちょっと奇抜なファッションですが、このときのいでたちについては、『夢酔独言』で具体的な記述があります。

 

縮緬(赤い絹織物)の襦袢にしゃれた衣類を着て、短か羽織で拍子木の木刀を一本さして、会いに行ったらば、

※はやおきによる現代仮名遣いで引用

 

 自分の父親が、派手な格好をして剣術の師匠に会いに行くとか嫌過ぎますが…「酒は飲まねえのか」と聞く小吉、「修行中なのでやめています」との島田さんに、「江戸で修行をするのにそんな狭量ではやっていけない」と、ムリヤリ連れ出します。

  このあたりのやりとりはこちら。

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 片や本所勝家では、お信お多賀さんが話しているところへ、岡野家用人(大名・旗本の家で、庶務・会計などにあたった職)の大川丈助がやって来ます。

 丈助を見て、「断りもなく人の家を覗いておりました。悪人です」と言う長女・めちゃくちゃ冴えています。その通りだ…!!

 

 夕方、麟太郎が勝家に帰宅すると、父・小吉によって多少不良に染まった島田虎之助先生が(ドラマでは吉原の昼営業へ行って帰ったとなっていますが、『夢酔独言』では、ガッツリ座敷で遊んで翌日帰りました)。

 『夢物語』という、モリソン号事件(天保八年、西暦1837に起きた事件。浦賀に対日通商を求めて渡来したアメリカ船モリソン号を、砲撃して追い返した。モリソン号には、遭難した日本の漁師も乗っていた)を批判する本について話題提供する島田先生。実際の島田先生も、後々麟太郎に蘭学を勧めることもあり(ネタバレ)、国際情勢に関心があるというのは自然な流れです。

 一方、お信は、モリソン号に乗っていた日本の漁師を気遣います。「早く家族に会えるといいのに…」その通りだ…!優しい…。

 

 『夢物語』については何やかんや裏があったりするのですが、そこはネタバレになるので置いといて、『夢酔独言』では小吉の子供時代に一回登場して終わりなのに『小吉の女房』ではレギュラーキャラの石川太郎左衛門さんがチラッと顔出しになります。

 あと、高野長英さんはまた登場するんですかね?

 そんな感じの蛮社の獄でした(雑なまとめ)。

 

 

 

 そんなこんなしているうちに、岡野家では当主の孫一郎さんが用人の大川丈助の言いなりで、丈助に30両もの大金(2回目)を渡してしまい、お多賀さんは大事な茶道具を、道具市で売り払ってほしいとお信に頼みに来る始末…。

  

 いよいよ仕方なく岡野家へ向かう小吉。岡野家、めちゃくちゃデカいです。お城みたい。で、中では当主の孫一郎さんが、丁半博打に興じている(当時、旗本の間で博打が大流行していたのを反映させた場面と思われます)…。物理的にひっくり返して博打メンバーを追い出すと、孫一郎さんを説教する小吉。しかしそこには丈助も同席し、売り言葉に買い言葉、いつの間にかお信も来ていて「まあひどい」、同じ敷地に住んでるもんね…で、「出て行け!」となります。

 

 その後、何やかんやあって丈助もいよいよ追い出されそうになるのですが、「その前に岡野家のもろもろの支払いの立て替え金339両を返してもらいます」と言い出す丈助。当主の孫一郎さんに、丈助に立て替えてもらった記憶はないのですが、どうやら、丈助はつけかけ(水増し計算)しているようす。

 二つあったはずの控え帳は、丈助によって行方不明にされてしまいました。

 

マンガ『夢酔独言』ではこんな感じ↓

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 「親類が何とかするだろう」と、縁側で寝っ転がって鼻毛を抜く小吉でしたが…。 

 

 そうこうしているうちに、丈助がご老中に駕籠訴(かごそ)!

 

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 その後も、こんな感じで↓ずっと大変な岡野家。  

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 岡野家に何かあったら、勝家もヤバい(by小吉の兄彦四郎さん&兄嫁のおさん)とのことで、岡野家騒動に首を突っ込むのをためらい、今日も今日とて縁側で寝っ転がって鼻毛を抜く小吉でしたが…。

 お信がハッパをかけて(もまだグズグズしてたけど何やかんやあって)、小吉は丈助の元へ向かいます。

 

 

 

 大川丈助さん、ドラマでは悪者ってことになってましたが、『夢酔独言』を読んだ限りでは、そんなに悪人という印象でもありませんでした。『夢酔独言』に登場する人は、だいたい人から金を騙し取るので…。それを解決する小吉の自伝ですからそういう傾向になってしまうのかもしれませんが、その小吉も、けっこう口から出まかせで解決したりします。

 

 

 

 『小吉の女房2』第二回「小吉、腹を切る?」は、4月9日(金)20:00~、BSプレミアムにて放送です!

 

 小吉は立て替え金を用立てるため、摂津へ旅立ちます。

 一方、留守を守るお信は…。

 

 

 

 マンガ『夢酔独言』を読んで予習してね!全然内容違うかもしれないけども!

 

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マンガ『夢酔独言』目次① 子供編(清書ヴァージョン)

 マンガ『夢酔独言』(清書ヴァージョン)の一話目と、二~十話がここから読めます。

 原作者兼主人公勝小吉が、0~12歳までのエピソードです。

 漫画を読まなくても内容がだいたい分かる、短いあらすじ付きです。

 

 

 

・一話 檻の中の父親

 

  慶応四年三月、江戸城無血開城の交渉に挑む勝海舟。その46年前、海舟の父親・勝小吉は妊娠中の妻から引き離され、檻に入れられていた。

 悪行三昧で読み書きもできない小吉は、いかにして自伝『夢酔独言』を書くに至ったのか?

 

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

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2021年春、勝小吉がかつてないほど熱い

  勝海舟の父親『夢酔独言』の著者&主人公でお馴染みの勝小吉ですが、この春、小吉と触れ合える(意訳)チャンスです。

 どういうわけか、勝小吉関係の企画展示が目白押しなのです!!

 

 

 

 まず、江戸東京博物館「市民からのおくりもの2020―令和元年度 新収蔵品を中心に―」(3月9日~5月9日)

 

 江戸東京博物館に所蔵されることになった『夢酔独言』原本

 今回の企画展示で、直筆の生原稿(モノは言いよう)が見られます。

 

詳しい情報はこちら↓

www.edo-tokyo-museum.or.jp

 

 『夢酔独言』原本自体の写真は、既存の本とかでも見られるのですけども、小吉の字って、すごく読みやすいんですよね。本人の素直な性格を表しているというか(個人の感想です)。

 ぜひ会場に足を運んで、小吉の筆圧を感じたり、小吉の抜け毛とか爪とか、指紋が残っていないか探したりしてみてください。

 

 

 

 次に(「次に」がある…!)勝海舟記念館の企画展「小吉-“勝海舟”を育んだ父-」(3月19日~6月27日)

 諸事情あってはやおきが行けていないのでフワッとしたことしか言えませんが大田区勝海舟の資料の展示やらを年がら年中やっている勝海舟記念館(※はやおきは行ったことない)で小吉の企画展をやるってなったら、その内容の充実ぶりには、かなり期待できるのではないでしょうか。

 というか、ホームページで企画展のチラシが見られるんですけども、何と、小吉の唯一の肖像画が見られます!うおおおおおお!!

 

 詳しくはこちら↓

www.city.ota.tokyo.jp

 

 肖像画を見たはやおきの感想「よく…見えない… 」

 

 

 

 さて、以上2つの企画展ですが、はやおきは(今のところ)見に行くことが出来ません。

 というのも、職場から「(徳島)県外渡航ダメ絶対」指令が出ていまして…こっそり行って万が一新型コロナウイルスに感染しようものなら、解雇と書いてクビ必至です。同じ事情で、申し込みしてた大阪の漫画イベントにも参加できなかったし…。

 はやおきが売れっ子漫画家なら、無職なんぞ屁でもないんですが…そうじゃないので…。

 

 江戸東京博物館勝海舟記念館へ行ける境遇の皆さんは、ぜひぜひ行って、小吉を身近に感じてみてください。

 

 

 

 さて、そんなはやおきと、はやおきと同じく東京へ行けない皆様に朗報です。

 家に居ながら、喋って動く小吉が見られます!

 

 ドラマ『小吉の女房』2、2021年4月2日放送開始です。

 

www.nhk.jp

 

 さっきホームページを見に行ったんですけども、第一回は、小吉の引っ越し先の地主・岡野孫一郎さんちの、大川丈助騒動から始まるようです。

 『夢酔独言』では一切絡まない小吉の妻・お信(主人公)がどんな感じで関わっていくのか、その活躍ぶりに期待ですね!

 

 岡野家大川丈助騒動のエピソードは、こちらの目次からまとめて読めます(だいぶ前にまとめたから、リンク切れてるかもしれんですが…)

 目次に各話あらすじを書いているので、あらすじだけ読んで漫画読まなくても大丈夫だよ!できたら漫画も読んでね!

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

 

  あと、多分後の方ですけども、小吉の息子・麟太郎の師の一人、都甲斧太郎先生も登場するみたいです。

 

都甲先生が登場するお話はこちら↓ 

musuidokugen.hatenablog.com

 

 

 

  2021年春は、かつてないほど勝小吉が熱いです。

 空前の勝小吉ブーム(誇張)に乗り遅れるな!

 

 

 

2021年3月に描いた絵

2021年3月に描いた絵です。

 

 

 

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    11、2歳頃の小吉。

    3月も下旬になって、「ヤベー、3月全然一枚絵描いてねえ!」と思って(過去に1枚も描かなかった月もあるかもしれませんが確認するのが面倒なので置いといて)、半月前くらいに描いた下書きを、ペン入れしたものです。

 

 

 

    はやおきは2月の中旬頃、ある漫画を読んで、今更ながら漫画における描写の何たるかについて初めて理解して、今描いている漫画では読者に喜ばれないと思って一週間くらい落ち込んで(その前に、一通り描いた漫画を見て「うわぁ…下手…描き直したい…」とか思い始めていたということもあり)、でも時間が経ったので立ち直って

〈以下、ダイジェストでお送りします〉

また落ち込んで(5日間)、落ち込むのも自分の漫画に満足できないからだと思い直して二話目から描き直し始めて、その矢先に「そんなに頑張らなくても…」と言われて落ち込んで(3日間)立ち直って※頑張ろうとしてる人間に「頑張らなくていい」とか言うと心が死にます。そんなこんなやってる間、実は労働先の職場で一人リアル骨を折ってその影響ではやおきの休みが半分になってて(描く時間がありませんでしたという熱心な言い訳)、ようやく明日から春休みだわーいという感じです。

    サラッと「二話目から描き直し始め」たとか言ってますが…まぁ、今の段階では、はやおきは世にほぼ出ていないので、多少見苦しくジタバタしてても平気でしょう多分。