マンガで読める『夢酔独言』

マンガで読める『夢酔独言』

勝海舟の父親・勝小吉の自伝『夢酔独言』がマンガで読めるブログです。

参考書籍

    マンガ『夢酔独言』を描くにあたって、特に参考にした資料をまとめました。各本参考ポイント解説付き。

    そのうち増えるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

・『夢酔独言 他』    平凡社 東洋文庫138    勝小吉 著 勝部真長 編

 

    主人公・勝小吉が書いた稀代の名著であり、マンガ『夢酔独言』の原作

    勝小吉が生まれるいきさつから、42歳で『夢酔独言』を書くまでを、本人の独断と偏見で綴っています。全編口語体

    小吉が若い頃慕った、平山行蔵先生について書いた『平子龍先生遺事』も収録。こちらはずいぶん堅い文章です。小吉が先生を初めて訪ねた時のエピソードや、先生から勉強を勧められて断る話など、マンガに登場するくだりがいくつかあります。

    勝小吉生涯年表や、男谷・勝家の家系図つき。

 

 

 

・『夢酔独言 現代語訳「勝小吉自伝」』    PHP研究所    勝部真長 編訳

 

    『夢酔独言』のみの収録。

    初めて『夢酔独言』を読むときは、是非とも原文をおすすめしますが、「読みにく過ぎて途中でやめた!」という方は、現代語訳をどうぞ。

    本所・浅草界隈の地図心影流の系譜などが載っていてお得。字が大きくて、すっきり見やすいです。解説文に、年表家系図といった定番セットももちろん完備。

    勝海舟が両親について記した文章も。

 

 

 

・『氷川清話』 講談社学術文庫1463 江藤淳 松浦玲 編

 

    麟太郎編の元ネタは、だいたいここからです。

 勝海舟へのインタビュー形式で構成されています。

 父親・小吉のエピソードも、ほんのちょっぴりですがあります。

 勝海舟に興味・関心はなくとも、人生訓には一読の価値あり。この世のだいたいのことに対して、不安や心配がブッ飛びます。

 『夢酔独言』を読んだ後だと、口調が親子そっくりで、ひっくり返りそうになります。

 

 

 

・『勝海舟』    筑摩書房    松浦玲

 

    分厚い本。なだけあって、勝海舟はもちろん、父親の小吉、麟太郎が幼い頃仕えた初之丞様、剣術の師匠・島田虎之助さん、本好き仲間の渋田利右衛門さん、佐久間象山先生など、勝海舟に関わる人物とのエピソードがいっぱい載っています。

 

 

 

・『海舟語録』 講談社学術文庫 江藤淳・松浦玲 編

 

 『氷川清話』の別ヴァージョンという感じ。『氷川清話』に載ってるようで載ってないエピソードが収録されています。小吉が博奕嫌いな話とか、初之丞様のその後とか。

 

 

 

・『江戸大古地図』 別冊宝島 菅野俊輔 監修

 

 江戸全域をだいたい網羅した「江戸切絵図」と、現代の地図が見比べられます。

 マンガ『夢酔独言』に登場するのは、深川、本所、駿河台、浅草、芝、麹町、赤坂など。

 

 

 

・『勝小吉と勝海舟 「父子鷹」の明治維新』    山川出版社    大口勇次郎

 

    薄い本ですが、他の資料に載っていない、細かなエピソードが分かりやすくまとめられている、グッド資料。

 

 

 

・『F.ベアト写真集1 幕末日本の風景と人びと』    明石書店    横浜開港資料館 編

 

    タイトル通りの本。背景写真が充実しています。

    最初見た時、「ちょんまげの人の写真って、現存してるんかい…!」と衝撃を受けました。

   あと、 東海道の木がめっちゃデカいです。

 

 

 

・『新版 写真で見る幕末・明治』    世界文化社    小沢健志

 

    こちらは、人物の写真が充実しています。

    120ページに、磔(はりつけ)と晒し首の写真があるので注意。

 

 

 

・『絵図に見る伊勢参り』 河出書房新社 旅の文化研究所 編

 

 伊勢周辺の絵図他、御師や抜け参りについての解説あり。小吉がお世話になった龍太夫の名前も出ます。

 

 

 

 

・『江戸の旅とお伊勢参り』 洋泉社

 

 主に伊勢参りについて、浮世絵多めでくわしく解説されています。

 伊勢参り以外の旅や参詣の項目もあり。麟太郎が犬に噛まれた時に小吉がした裸参りを描いた浮世絵が載っているのは、思わぬ収穫でした。

 

 

 

・『勝海舟関係写真集』    出版舎 風狂童子    森重和雄 高山みな子 三澤敏博

 

    写真から銅像まで、さまざまな勝海舟が網羅されています。

    年表・家系図はもちろん、赤坂氷川の勝邸の間取りや、ゆかりの地の解説もあり、重度の勝海舟ファンなら手元に置いて損はない一冊。

 

 

 

・『そこにあった江戸 幕末明治寫眞圖會』 求龍堂  上條真埜介 編著 共同通信イメージズ 編集協力

 

 風景写真が豊富です。しかも1枚1枚が大きい!本自体もデカくて、ハードカバーです。

 江戸の具体的な場所や、町並みや河原など、ロケ地のバリエーションが豊かです。

 

 

 

・『復元 海舟傳稿』 けやき出版株式会社 水上寛裕 飯田溥

 

    瀧村鶴雄という人が記した『海舟伝稿』を、文面そのままで本に載せたものです。手書き文字を読むハメになります。

    勝小吉が存命の頃のことは、第一冊と、第二十六冊に載っています。「(海舟)先生出生ヨリ三十二歳追ノ間ノ事ハ自ラ記臆シテ物語ラレン」と書いてあるのに、三十二歳までのエピソードがほとんど白紙なのは弱りましたが…。

    麟太郎(勝海舟)が江戸城に行った話とか、家督を継いだ麟太郎の元に借金取りが押しかけた話は、ここに記されていました。ネタ元かな。

 

 

 

・『文政年間 國郡全圖』    近藤出版社    市川東谿 編    児玉幸多 解説

 

    文政年間に刷られた全国地図を、本にまとめたものです。小吉が訪ねたあちこちを、もっと詳細に把握したくて仕入れましたが…。

    言っても一つの国を一枚に収めているので、全然詳細じゃないんですよね。あと、乱丁本で越中が2つあって能登と越後が半分しかない…。

 でも、御願塚が載ってたり、縮尺がでかい故に各所の位置関係が分かりやすいのは嬉しいです。

 

 

 

・『広重 東海道五十三次 八種四百八景』 小学館 白石克 編

 

 東海道の宿場町の浮世絵のパターンいろいろと、案内図など。次の宿場町までの距離も明記されています。

 

 

 

・『御師 ONSHI』 季刊大林 №43

 

 主に御師について。御師の屋敷の外観や見取り図あり。

 『夢酔独言』の一度目の家出についても書かれていて、旅先で知り合いに会った気分になります。

 

 

 

・『勝海舟全集19』 勁草書房

 

 明治元年の、家族を駿府へ移住させた際の日記あり。

 

 

 

・『勝海舟全集 別巻 来簡と資料』 講談社

 

 原文に近いヴァージョンの『夢酔独言』、小吉が歌会的な集まりを開催した時の文章(島田虎之助さんもいるよ)、現代語訳『夢酔独言』巻末にあった小吉と信についての文章の原文が載っています。

 

 

 

・『勝海舟全集2 書簡と建言』 講談社

 

 「偉人数章」に、永井青崖先生、島田虎之助さん、都甲斧太郎先生、渋田利右衛門さん、白井亨さん、小吉と大石進さんのエピソードなど。

 

 

 

勁草書房版「勝海舟全集19」付録 海舟研究二 海舟年譜Ⅰ 勝部真長 編

 

 勝海舟の人生前半の年表です。

 

 

 

勁草書房版「勝海舟全集2」付録 海舟研究十八 大口勇次郎

 

 主に岡野家騒動周辺の資料です。

 

 

 

・新装版『勝海舟 上』 勝部真長

 

 まだ全部をちゃんと読めていませんが、小吉の兄・男谷彦四郎さん、松坂三郎右衛門さんが代官を勤めた期間が載っているので仕入れました。

 小吉の祖父(海舟にとっては曾祖父)・米山検校の話に始まり、上巻の終わりで麟太郎がやっと蘭学を志すという濃密具合です。

 

 

 

・『月刊剣道日本 1976 五月号 〈特集〉島田虎之助』、『月刊剣道日本 9 特集 男谷精一郎』 (株)スキージャーナル

 

 どちらも古い雑誌なので、現在では情報が更新されているかもしれません…が、二人についての資料本はそんなにないので貴重です。

 

 

 

・『読書撃剣 男谷精一郎と平山行蔵』 青山ライフ出版 服部錣弥

 

    実はまだあんまり読んでませんが(未来のくだりの詳細まで頭に入れるとパンクしそうなので)、『平子龍先生遺事』の部分的な現代語訳や、平山行蔵先生の家の図とかが載っています。