今週のお題「紅葉」
紅葉模様は、秋の模様です。和柄では、モミジとイチョウが2トップです。
四季を表す和柄で、世に溢れかえっているので、逆に自分好みのこれというものはあまりないのですが、そのなかでいつくつか素敵で変わっているものを紹介します。
明治期型染木綿 紅葉に文箱と扇・小菊散らし
紅葉がメインの古布で、持っているのはこれぐらいです。「学問の秋」「芸術の秋」という認識が当時あったか不明ですが、紅葉は、文化系のモチーフと組み合わされることがけっこうあります。
藍の型染布は地藍(ベースが藍)が多いのですが、これは地白(ベースが白)です。紅葉の輪郭あたりは絞りのようですが、これも型染です。
江戸期 木綿更紗 銀杏、紅葉、どんぐり、桜模様
江戸時代の、国産の木綿更紗です。
桜が入っているので厳密には紅葉オンリーではありませんが、イチョウ、ドングリと、秋の模様になっています。
更紗というのは、ざっくり多色刷りの木綿のことなんですが、当時から、ヨーロッパやインド産のものが人気で、主流でした。江戸期の国産更紗は滅多にありませんが、このタイプのものはいろいろあって、千代紙みたいで素朴でかわいいです。
江戸着物より 陰陽紅葉散らし(消しゴムはんこ)
原案はもっといい感じなんですが、白抜きの紅葉がほぼ見えてなくて残念。
小男鹿(さおしか・徳島銘菓)のパッケージみたいな雰囲気。
紅葉に扇の吹き寄せ(消しゴムはんこ)
これも、もとは古伊万里の模様だったはず。
昔は、こんな破れた扇も、デザインとして取り入れられていました。イチョウに見立てても良しです。
江戸着物より 陰紅葉(消しゴムはんこ)
色がついているものを黒にするのも、オシャレです。
銀杏(消しゴムはんこ)
迷彩銀杏(消しゴムはんこ)
上のイチョウと同じ判で、色調を変えたものです。
江戸着物より 友禅 銀杏にほん(消しゴムはんこ)
元禄時代の小袖より。線描きと、カラーと、鹿子ドットが入り乱れててオシャレ。
江戸着物より 分銅銀杏(消しゴムはんこ)
原案は、これぞ江戸!という感じの、どこかの浮世絵に描かれた模様。イチョウを抱き合わせて分銅模様に仕立て、陰陽交互に配置しています。
これを作った当時、どの資料から参照したか、記録しなかったのが悔やまれます。
消しゴムはんこでいろいろ模様は作ったのですが、何にせよ使い道がなく、今ならデジタルでもっといい感じに作れる人もいるだろうに、と思います。