和柄コレクション 道具③
道具②に引き続き、道具柄の型染を紹介します。いずれも江戸~大正時代あたりの、貴重な型染木綿です。
・お多福面と梅枝、扇
お多福のお面に、梅の枝と扇面です。扇面の中に描かれているのはきっとウグイス、春の模様です。
・のぼり猿と柿
猿の人形が棒につかまっていて、下には竹で作ったバネが付いています。バネをはじくことで、猿が木に登るというおもちゃです。柳の枝が互い違いに並べられているのがオシャレ。猿のとなりの木の実、この型染を買った当時は橘(たちばな)だと思っていましたが、猿にちなんで、柿ということにしてもオツかもしれません。
・団扇
団扇の形は、それだけで魅力的。1枚目は力強く歌舞伎にちなんだ図柄入り、2枚目は繊細に、3枚目は水辺の蛍とともに。
・扇蝶
小紋です。一見扇のようですが、変形させて蝶に見立てた扇蝶です。骨の部分が足、後ろにもうひとつ重ねて後翅、先がくるんと丸まった触覚が生えています。
・破れ傘
松に雪と、破れた傘です。破れた扇とか、熨斗(のし)も模様になっています。
補正した画像ですが、色合いがとんでもなく美しいです。
・桜に栞
薄い板みたいなのが、栞です。同じようなものが、『童謡 妙々車』の扉絵にも出てきます。「空摺り」といって顔料を付けずに木目が表現されているので、木で出来ていたことがわかります。
・轡(くつわ)
馬具の一種、轡(くつわ)に桜です。「春駒」という言葉もありますが、馬や轡は、なぜか桜と一緒に描かれることが多いです。
・コウモリ傘と雪花
文明開化の和柄。コウモリ傘に、分かりにくいですが雪輪と花が描かれています。
・十字にヤジロベエ
何でヤジロベエに十字を合わせたのか謎ですが、規則的でお洒落な模様です。
・文明開化と鳳凰に桐
手元にある中で、ダントツにカッコいい和柄。白抜きの点描でランプ、傘、イカリ、時計、グラス、椅子、馬車などが描かれていますが、ベースの図柄は「鳳凰に桐」。和洋折衷の模様です。
道具の和柄シリーズ、その③まで紹介しました。
その①と②はこちら。
まだストックがあるので、まだまだ続きます。