『夢酔独言』 二十六話 自分の名前が書けない
お姑さんとの不仲が原因で、14歳の時、上方を目指して四か月間の家出をした小吉。無一文になったり物乞いをしたり、病気にかかったり崖から落ちたりしましたが、自力で江戸の家まで帰ってきました。その無理がたたって、2年ほど家にひきこもっていましたが、就職活動をする年頃になります。
上司へ希望の役職を訴える面接「逢対(あいたい)」に出向く小吉ですが、初歩の初歩、自分の名前すら書けずに、他の人に書いてもらいます。そんな調子で就活がうまくいくはずもなく、ますます姑にがみがみ言われ、家に居つかなくなる小吉。
そんな折、兄の同僚に誘われて行った先は…あの有名スポット・吉原!
続きを読む