『夢酔独言』 八十二話 掛捨て御免
前回までのおさらい:引っ越し先の地主さんのお金を工面していたら、小吉のお金が無くなりました。そんな小吉を見兼ねて、友達がお金を出そうとします。しかし、プライドの高い小吉が受け取るはずもなく…。
『夢酔独言』には「無尽」とか「講」とか、「株仲間」とかいった、聞き慣れない民間団体が登場します。『夢酔独言』で分からない用語はたいてい電子辞書先生が教えてくれるんですが、正直説明がカタくってよくわかりません。
「無尽講(頼母子講)」・・・互助的な金融組合。組合員が一定の掛金をなし、一定の期日に抽籤または入札によって所定の金額を順次に組合員に融通する組織。
とにかく、みんなでお金を出し合って、くじか入札で当たった人が、合計金額をもらえる仕組みらしいです。いずれ順番が回って来るので、最終的にみんなが得をするシステムなんだとか…。
掛け捨て(みんなにお金を出してもらって合計金額をもらう)では小吉は受け取らないと小林さんが言うので、小吉を会主にして、掛け金を預かるかたちで5両受け取った小吉。掛け捨てとどう違うんだとも思いますが、そのお金で小吉は刀の売り買いを始め、お金も貯まります。よかったね。
ちなみにこのお話に登場する小林さんは、かつて小吉に剣術の試合でボコボコにされた恨みから、小吉を闇討ちにしようとしたナイスキャラです。危ない。
そんな小林さんも、今回で登場最終回です。小林さんは執念深いヘビのイメージなので、着物の柄はウロコ模様が多いです。コーディネートにも注目!
さて、小吉は武士ですが、武士としての仕事が全然もらえないので、刀関係の道具を売っては買い、売っては買いしてお金を稼ぎます。
次回、八十三話「道具市の小吉」は、小吉の道具市での儲け方のお話です。