『夢酔独言』 百三十三話 島田虎之助、江戸へ来る
夢酔(=勝小吉)が書いたぶんの『夢酔独言』本編は終わりましたが、小吉の人生はもうちょっとだけ続きます。「麟太郎編」では主に、『夢酔独言』が執筆された天保十四年(西暦1843)から小吉死去の年までの、小吉の息子・麟太郎(後の勝海舟)のエピソードをマンガにします。
百三十三話の主人公は、小吉の友達で麟太郎の剣術の師匠・島田虎之助です。
※はやおきは剣道やったことないので、試合の描写はテキトーです。気に留めないでください。
前回、小吉が『夢酔独言』を書き上げた天保十四年(西暦1843)から、時はさかのぼって天保八年(西暦1837)。
九州から、剣術遣いの島田虎之助が江戸へ出てきます。
「島田虎之助」の百三十三話分までの概要は、以下の通り(はやおき調べ)です。
・文化十一年(西暦1814)、豊前中津(現在の大分県)生まれ
・額が広く頬骨の出た顔で、鼻は高く目のくぼんだ中肉中背
・13歳から、小野派一刀流の堀十左衛門に剣術を習う
・16歳で九州一帯へ修行に出る
・天保八年(西暦1837)十一月二十四日、直心影流の男谷精一郎と試合
天保八年は『夢酔独言』本編の主人公・勝小吉が隠居する前年。
翌年、虎之助は小吉の息子・麟太郎を弟子にしますが、その後挨拶に来た小吉にムリヤリ吉原に連れて行かれ、酒とタバコを飲まされたうえに、女郎遊びに強制参加させられます。
そして以降、家に小吉を泊めたり、小吉が地主を見捨てようとするところを説得したり、することがないと言う小吉に香取・鹿島詣でを勧めたりと、小吉のクズ具合を際立たせ生活指導をします。
各主要人物の年齢は、天保八年(西暦1837)の時点で、
島田虎之助24歳
勝小吉36歳
勝麟太郎15歳
男谷精一郎39歳
です。
小吉の甥で剣術遣いの男谷精一郎と試合をした虎之助、一勝二敗でほぼ互角と判断したようですが、同じく剣術遣い・井上伝兵衛によると、どうもそうでもない様子。
後半登場する井上伝兵衛先生ですが、『夢酔独言』本編でたびたび「剣術の師匠」として名前は挙がっていましたが、顔出しは初めてです(代替わりしているかもしれませんが)。
百三十四話「男谷精一郎対島田虎之助」に続きます。男谷精一郎と再試合をする虎之助。
『夢酔独言』本編で島田虎之助が登場するエピソードはこちらから。