『夢酔独言』 六十一話 平子龍先生遺事
時はさかのぼって、小吉18,9歳の頃のお話です。
四谷伊賀町に住んでいる平山行蔵先生の家を訪ね、武辺の話や武器・甲冑を見学していた小吉。
そんな先生との別れの日が来ます。
今回は、全編『平子龍先生遺事』由来のお話です。
『平子龍先生遺事』は、小吉が改まった文体で書いた、平山行蔵(子龍)先生についての随筆です。マンガ版『夢酔独言』では、小吉が関係しているところばかりを抜き出して書いてありますが、他にも、
・先生はいざという時のために甲冑を着て土間に寝ていたが、松平越中公に布団をもらって使っている。最初は慣れなくて変な感じだった。
・先生の昔話。お父さんのことや、師匠の山田茂平先生のこと。
・大男に是非にと乞われて刀をやったら、勝手に売られた。大男は嫌い。
・先生が雷電と力比べをした話。
・先生の武器コレクションのラインナップ。
などがあります。
『平子龍先生遺事』の終盤に、このお話にある先生の家の描写がありますが、小吉の先生へのノスタルジーがたっぷり感じられて、個人的に好きなくだりです。
六十二話に続きます。