『夢酔独言』 四十九話 二度と帰らない
二度目の家出中の小吉は、三島宿を出て次の宿へ向かいます。「播磨様」を騙って、一人分の料金で大勢人足を雇ったり、駕籠を出させたりと好き放題。
一方、江戸では、小吉が居なくなって大騒ぎです。
このお話でお兄ちゃんに「左衛門太郎」と呼ばれているのが小吉です。また、信は「信子」と呼ばれていますが、いろいろの資料でたまに、娘や孫も「子」を付けたり付けなかったりなので、「子」が付いている方が正式名称なんじゃないかと思ってそう呼ばせてもらいました。
おれがおもふには、是(これ)からは日本国をあるいて、なんぞあつたら切死をしよふと覚悟して出たからは、なにもこわいことはなかつた。
相変わらず、すごい迷惑な話です。
またまた水戸の使者を騙って、大勢の人足を使って川を渡ります。
そして、昔中村帯刀を世話したことを思い出して、中村親子を呼びつけます。
中村帯刀の登場する話はこちら。
五十話に続きます。